第7話

ーーーーーー




グッ、グッと自身を私に押し込んでは満足してないのか、深い皺を眉間に刻んだまま悪魔は何度も何度も私を汚す。




「全然、足りねぇ...鳴けよ」



そう言っては深く...深く.....




差し込まれ、下腹部の快楽にビクッ、ビクッとなる私を余所に




「呼べ...」と、耳の直ぐ近くで囁く悪魔。





漏れる声を押し殺し、時が過ぎるのをタダ待つしか出来ない私。




乱れたシーツにベット脇に追いやられて無残にも引きちぎられたブラウス。




それが今の私の様で、涙がツーッと流れ落ちた。





何度目かの絶頂を迎えた所で痺れを切らしたのか




「俺を呼べ...」と言われ、




悪魔が視界に入らない様に逸らしてた顔を掴まれた。



声が漏れない様に固く固く唇を噛み締める。



ギッ、ギッとベットが軋み、身体が跳ねる度、頭の中が真っ白になって行く。




掴まれてる顎から手をユックリ這わせ、堪能する様に撫で、下へ下へと降りて来る悪魔の指先はユックリと確実に、意思を持って私の感応を高めて行く。



何度も何度も肌の上を滑らせ、行き来する悪魔の指先はヒンヤリ冷たい。



顔を見たくなくて、横を向き、瞳をキツく閉じる。そんな私をその瞳に捉えたまま、鎖骨を撫で膨らみの先を力任せにギュッと摘まんで来る悪魔。




鈍い痛みと共に




「呼べ...」と言われ





「ツル、ギ...」と呼んだ。




「もっとだ...」の声に





「もう...やだっ...うちに、返して...砦の所に








帰りたい...」





弱々しく呟いた私を悪魔は





「ふざけるなよ...」





怒りを瞳に宿すと




私から自身を引き抜き、ガラステーブルの上に有った煙草に手を伸ばした





カチンと音が響き



白い煙を吐き出した悪魔は





「今度俺以外の名前を口にしてみろ....」




""これは脅しと牽制だ。痛い思いはしたくないだろ?""





最後の言葉と共に耳元でジュウッと音がした





耳の直ぐ真横、枕から焦げ臭い匂い。髪がチリッと焼けた音がした。



「俺をこれ以上怒らせるな」




グシャリ潰れた煙草と真っ直ぐな眼差し。



私は息を止める



「俺は優しく無い。だからお前を傷付ける事も平気で出来る」



そう言いながらフッと笑う悪魔




小さく小さく呟かれた言葉を聞く事なく、意識が遠ざかる




「俺に........お前を傷付けさせんな」




優しくないと言いながら、優しく触れる指先に私は気付かない。





「お前は誰のだ?俺のだろ.....」と囁き、己を私に留めたまま、柔らかく、労る様にキュッと私を抱き締める。




そんなの、私は全然知らないし、これからも先、知ることは無い





砦っ...助け、て...

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