第十八話
そうしてお母さんは、料理を作ってくれた。私とトミヒ様も食べたが、もちろん
「今日はナヒコさんが私の
するとお母さんも、頭を下げた。
「これからナヒコのことを、よろしくお願いいたします」
それを
「はあ~。まさかあなたが、あのトミヒ様の妃になるなんて。まだ、信じられないわ。でも、ホントなのよね?」
なので私は、
「うん。本当よ、お母さん。私もこの話をトミヒ様から聞いた時は信じられなかったけど、本当なの」
「そうよねえ。何たって本物のトミヒ様が、この家にいらっしゃったものねえ……。あ、そうだ。このことを、お父さんに報告しなきゃ」
と、お母さんは料理の残りを
「それじゃあナヒコは、もうこの家に
「そうねえ、それもいいかもね」
と私は今夜は、お母さんと一緒に寝ることにした。私とお母さんがベットに入ると、お母さんは聞いてきた。
「ナヒコがこのベットでねるのは
私は、少し考えてから答えた。
「そうねえ、あんまり憶えてない。やっぱり、子供の頃のことだから。ごめんね、お母さん」
するとお母さんは、優しい声で答えた。
「いいのよ、ナヒコ。そうよねえ、あなたが子供の頃のことだもの。憶えてないのも無理は無いわ。それにしても私とお父さんの間で寝ていた、あの小さかったあなたが、まさかトミヒ様の妃になるなんて……」
そして少しして、お母さんは続けた。
「トミヒ様はお城で
だから私も、少し考えてから答えた。
「ありがとう、お母さん。もしそうなったら、私はこの家に戻ってくるわ。でもそうならないように、私はトミヒ様とがんばってみるわ」
「そうねえ、そうよねえ。ごめんね、変なこと言っちゃって」
「ううん。お母さんは私が、心配なだけよね。でも大丈夫、おやすみ」
「うんうん、そうだねえ。おやすみ、私の
そして、次の日の朝。私はお母さんが作ってくれた朝食を食べると、家を出た。いつもならここで二日、休んでから食堂に戻るのだが、どうしてもやりたいことを思いついたのだ。それは私がトミヒ様の妃になることを、ノリシさんとイタケさんとウキコおばあちゃんに報告することだ。
なぜならこの三人は私にとってすでに、家族だからだ。肉屋のノリシさんは、お父さん。魚屋のイタケさんは、お兄ちゃん。そしてウキコおばあちゃんはやっぱり、おばあちゃんだ。
出会ってまだ四カ月くらいしか
「おはようございます、ノリシさん。すみません、今ちょっとお時間いいですか?」
するとノリシさんは、少し不思議そうな表情になった。
「おはよう、ナヒコちゃん。って、あれ? 今日は食堂は、休みじゃなかったっけ?」
「はい。そうなんですけど、ちょっとノリシさんにご
ノリシさんは右手の先から出した、魔法の光のナイフで肉をさばきながら聞いてきた。
「ご報告? 何だい、
「はい。私はこの
するとノリシさんの、右手の動きが止まった。そして、
「え? ええええ?! ナヒコちゃんが、トミヒ様の妃になるって?! い、一体いつ?!」
「はい。七日後の予定です」
「そっかー。ナヒコちゃんは
そうしてノリシさんは、しみじみと
「それじゃあ食堂は、もう終わりになるんだね。ナヒコちゃんがここにくることは、もう無いんだね……」
なので私は、答えた。
「いえ、そんなことはありません。私とトミヒ様とで相談して、私が妃になっても食堂は続けることになりました」
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