第十六話
あ、しまった。さすがに六品は、作りすぎたか。私は、頭を下げた。
「す、すみません、トミヒ様。ちょっと、
するとトミヒ様は、
「いえいえ、ありがとうございます。それにこれくらい食べてスタミナを付けないと、
そうしてトミヒ様は六品の料理、
「ふう。おかげで、スタミナが付いたような気がします」
それを聞いて私は、ホッとした。
「そうですか、それは何よりです」
そして立ち上がったトミヒ様は、聞いてきた。
「今回の料理は、いくらになりますか? さすがに、五百ゴールドは安すぎると思うんですが?」
「いえいえ。五百ゴールドで、
するとトミヒ様は、再び微笑んだ。そして
そして七日後。我がヨミフ国の国王は、ガナス国との
ヨミフ国ではガナス国との終戦を祝って連日、花火が打ち上げられた。そしてこの食堂にくるお客さんたちも、喜んだりホッとしたり嬉しそうな表情になっていた。この国の
そんなある日、トミヒ様が食堂に
「お疲れ様でした、トミヒ様。きっとトミヒ様の交渉が、上手く行ったんですね。
するとトミヒ様は、満足そうに微笑んだ。
「はい。何とか私が、
私は少し、うろたえた。
「いえいえ、そんな。交渉が上手く行ったのは、トミヒ様ががんばったからだと思います」
「いえいえ……。それでは、こうしましょう。今回の交渉が上手く行ったのは、あなたの料理と私のがんばりが
私はそれに、
「はい! そうですね!」
するとトミヒ様は、急に
「ナヒコさん。あなたに、大事なお話があります」
「な、何でしょうか?」
「私は今回ほど、料理の大切さを感じたことはありません。私はこの国の、第一王子です。更に今回の交渉を成功させたので、次の国王はほぼ間違いなく私になるでしょう。でも国王の仕事は、大変ハードです。この国を平和的に
そこまで言ったトミヒ様は、
「なのであなたにぜひ、私の
そして真剣な表情で、私を見つめた。私はこの話を、
「ありがとうございます、トミヒ様。ぜひ、そのお話をお受けしたいと思います。でも、一つだけお願いがあります」
「お願い? 何でしょうか、ナヒコさん?」
私は少し、ためらいながらもお願いをした。
「それは、この食堂のお客さんのことです。戦争が終わったとはいえ、まだまだ体の調子が悪い国民はいます。
そういう国民には、まだまだ私の料理が必要だと思います。なので、お願いです。私がトミヒ様の妃になっても、この仕事を続けさせていただけないでしょうか?」
するとトミヒ様は、
「な、何ですと?! 妃になっても、この仕事を続けたい?! う、うーむ……。し、しかし妃がそんな仕事をするなど、
と、トミヒ様は
「お願いします、トミヒ様。前例が無ければ、前例を作ってください」
「う、うーむ……」
そして少し
「うーむ、分かりました。ナヒコさんが私の妃になっても、この仕事を続けても良いと私が
私はそれを聞いて、安心した。私は愛するトミヒ様のために、ずっと料理を作ることができるからだ。しかも、この食堂の仕事も続けられる。だから私はトミヒ様の目を、真っすぐに見つめて伝えた。
「ありがとうございます、トミヒ様。私はずっと、あなたと国民を元気にするために料理を作ります。そしてあなたを、ずっと愛し続けることを
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