第2話なまクビゆうれい タスケ
トキは まわりの おんなたちが みんな みとめる さえない なまクビを みつめつづけている いや にらみつづけていると いうべきか
トキ「ヨシ!」
トキは きあいを いれると もういちど さえない なまクビを あらいはじめた としは まだ17〜18だろうか たんねんに あらい くちのなかや はなのおな みみの あな まで ていねいに あらう つぎに くちのなかに わたをつめて やせたほほをふくらませた ハリとイトで アホのように ポッカリあいた くちを ほほえむように ぬいあわせる たれめの めじりを すこし つりあげ まゆげは そりおとし まゆずみで あらたに かいた かみには アブラを しみこませ うしろで たばねた しあげに うすく おしろいを つかって かおに かげを つけると
トメ「うっそー!」
ケイ「おみごとです」
チカ「ワザだね〜 スゴイよ おトキちゃん」
シノ「べつじんじゃん このひとの おやがみても わかんないよ きっと」
と いうほどの できばえ だった
チカ「おかあさん ゆずりだね おトキちゃんの うでまえは」
シノ「わたしゃ おユメさん いじょうだと おもうね」
ケイ「おかあさんから なにか ごくいは さずかったの ですか?」
トキ「おかあちゃんは みしるしを あらうときは おとうちゃん だと おもって あらうんだって」
トメ「えッ どういうこと?」
トキ「いくさに でるいじょう いつ おとうちゃんが てきに うたれても おかしくない そのとき あいての おかみさんが おとうちゃんの クビを あらって けしょうして くれると おもうけど そのとき できるだけ カッコよくして ほしいんだって だから じぶんも おとうちゃんの うちとってきた みしるしを できるだけ カッコよく するんだって いってた」
ケイ「そうですね この かたがたにも かぞくが いるんですよね・・」
トキ「おかあちゃんが カッコいいとおもう みしるしは しぜんな おだやかな しにがお なんだって としおいて おだやかに てんじゅを まっとうしたような かおが いいかお なんだって」
チカ「なるほどね~ おユメさん おくが ふかいわ」
シノ「わたしら よくなら ふかいけどね〜 」
トメ「だから このかお なのか〜」
とめは じぶんが こい けしょうをした なまクビを みた
トキの あらった みしるし たちは ちち クマゾウにより おやかたさまに けんじょうされた クマゾウは てきの サムライだいしょうの クビを とったこともあり おおくの ほおびを もらっているが トキの あらった 4にんの おかげで さらに かくを あげた とりわけ さいごに あらった クビは すずやかに みえると ほめられ けしょうした トキにも とくべつに ほうびが でた しかし この すすやかな わかざむらいの なまえは わからなかった ムリもない クビあらいばの おんなたちが
「べつじんだ」
と いうほど もとのかお とは ちがう なかには
「おやでも わからない」
と いうものも いる このわかものの みかたも これが あの ひんそうな わかものと おなじクビとは おもわないであろう
そのよ トキが ねむっていると
「トキどの トキどの 」
と なまえを よぶものが いる
トキ「だれ・・」
うすめを あけて こえのほうを みると だれか いる
トキ「だれなの」
トキは じょうたいを おこして よく みた と あの トキが すがすがしく しあげて ほうびを もらった なまクビが けしょうまえの かおで てんじょう ちかくに ういている
トキは こえも だせずに いる
このじだい なまクビも くびなし したいも みなれてて こわくはない が ゆうれいは べつで ある ひとびとが みな ゆうれいや もののけ たたりや のろいを しんじていた じだいである きょうふに かたまっている トキに なまクビの ゆうれいが いう
タスケ「こわがらないで ください オラは タスケと もうします あのように きれいに してもらい ありがとう ございます」
と トキの めせんまで おりた
トキは ゆうれいが うらみで でてきたのではない としって すこし おちついた おちつくと ものごとは よくみえてくる
トキ「それ もとの すがただけど あれは きにいらなかった?」
タスケは クビを よこにふった ふったと いっても クビしか ないので みまわして いるように みえる
タスケ「とんでもない できれば あのすがたのままで いたかったのですが たましいの すがたは かわらない ようです」
トキ「へー そうなんだ」
タスケ「こんやは クビをきれいにして もらった おれいと おねがいが あって まいりました」
トキ「おねがい・・・なんの?」
トキにとって ゆうれいから おねがい されるのは はじめて だった
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