主人公・樹が歩むのは、ただの「人助け」ではなく、自分自身の心と向き合う旅。
妖魔が蔓延る世界で、命を賭して人を救おうとする彼の姿は、どこか儚くも力強さがあります。
知り合いに似た人たちがいる異世界で、登場人物たちの絆や想いの交錯が丁寧に描かれています。
恋愛要素も繊細で、派手な展開に頼らず、感情の機微をしっかりと感じさせてくれるところが魅力。
「異世界で恋をする」というキャッチコピーの通り、恋も戦いも“生きることそのもの”として描かれる――そんな大人が読んでも心に響くファンタジーです。
優しい言葉の中に確かな痛みと希望がある。
そんな物語を求めている人に、ぜひおすすめしたい一冊です。