知らない顔(①)

 みんなは命を賭けてもいいくらい殺したい人っている?

 私はいるよ。

 すごく憎い。

「私」を壊した人。

「大切」を壊した人。

「希望」を壊した人。

 だからそいつのために私は全てを賭ける。

 命さえも。


「●●さん」


 不意に後ろから誰かに声をかけられ、ハッとする。

 どうやら、声をかけてきたのはボスの秘書みたいだ。

 今いるのは組織。

 きっとボスからの声かけだろう。


「ボスが呼んでる?」


「はい」


 頷く秘書。


「わかった。すぐ行くって伝えて」


「伝えておきます」


 また依頼かな。

 ちょっと面倒だなあ。

 まあいっか。

 たくさん騙して予行練習しないとだし。


 さっきまで操作していたパソコン。

 電源を落として、周りのものも片付ける。


「よし行こう」


 静かな廊下を通る。

 一回一回床に足をつけるたびに、その静けさを破るように足音が鳴る。

 なぜか神秘的に感じるというか、少し不思議に感じた。


「ガチャ」


「おお来たか」


 ボスに向かって軽くお辞儀をする。


「今回の依頼はなんですか?ボス」


 するとボスは、一枚の写真を取り出し、スッと私の方へと差し出す。


「こいつだ」


「見たことないんですけど。こいつ何者ですか?」


 おかしいな。

 大抵知名度の高い輩の地獄落としばっかなのに。

 見たことのない奴がターゲットだなんて。




「まあ見たことないも当然か」




「こいつは、」










 _________________

 次回、9月23日投稿予定です。

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