第2話 無課金

 オムライスが、それぞれ独立国家を名乗り始めていた。


「オ」は健康第一主義の長寿の国。

「ム」は極悪非道な軍事国家。

「ラ」はラーメンとの合併話で揉めている。

「イ」は独裁主義という名の仲間外れ。

「ス」は国内分裂を起こしていた。


「お願いムジカ……あなたの卵で、世界を包んで……!」


 ハイエルフっぽい綺麗なお姉さんが脳に直接、無茶ぶりしてくる。

 

「イ」が言った。

「わたしは包まれたくない。私は、孤高でいたい」


「ス」が言った。

「カレーでは、だめか?」


「オムライスとしての矜持を持て」


 先生が言った。

「廊下に立っていなさい」


 窓ガラスに日差しが跳ねる廊下に出ると

 クラスメイトの安藤ななめが早弁をしていた。


 おにぎり、紫キャベツ、ライム、イワシ、酢豚。


 「ムジカちゃん、万葉集みたいな顔してるよ」


「うん。夢にしては、運営がしっかりしてた」


 オムライスは、たぶん世界を救う。

 そこだけは、譲れない。

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