第8話 ルイと校長と学校紹介?

 昼下がりの学校、ルイ君と校長は校長室でお茶を飲みながら話をしていた。

 「ふむ、外部(読者)に向けた学校紹介とな?」


 ズズッとお茶を飲みながらルイ君は答えた。

 「はい、この学校(小説)についてふわっとしている部分を補足できたらと思いまして」

 「メタいなぁ」


 校長は頭のフサフサ君(金色の髪の毛もどきの草もどきな謎生命体)にマグカップを持ってもらいながらコーヒーを飲み、ルイ君に尋ねる。

 「君は新聞部ではないだろう、どうして私のところに取材のように来たのかな?」


 「本当はマド部長に呼ばれていたんですけど扉の前まで行ったら中から足の生えたセクシーなキノコが脱走していきまして、また面倒ごとかと逃げてきました」


 足の生えたキノコ、便宜上SDK(セクシーダッシュキノコ)と呼ぼう。部室の中には少なくとも48体のSDKがいた、SDK48である。


 部室が何をしようとしていたのかは想像に難くない。


 どうせ、『キノコモチーフの美少年・美少女を創ってアイドルグループを結成するぞ!』とでも考えてなんか違うイキモノでもできたんだろう。


 「というわけで、部長がこなさそうで僕が来慣れているここに来ました」

 

 「やらかすたびに来ているからねえ、錬金術研究部の謝罪部門担当のルイ・ナゲキ君。最初のころと比べたらずいぶんと肝が太くなったものだ」

 校長の頭のフサフサが「そうだそうだ」といわんばかりにフサフサ動いていた。


 だまらっしゃいここじゃ君が一番新入りだよ、勇者がいたね。


 「……恐縮です」


 「美少女キノコについてはいろんな意味で聞きたいことがあるが、学校のことだったね」

 

 そうそう、絶対に問題を起こしているであろう部長や先輩たちの事はいったん忘れましょう。

 「この学校はねぇ、私にもわからないんだ」

 「へ?」

 校長なのに?と信じられない思いで校長を見る。


 「実をいうと私自身いつの間にかこの学校にいたんだよ、君たちもそうだろう?」

 校長はそう言いながら笑い。

 フサフサはスススッと伸びてきてルイ君のカップにお茶を注いだ、お利口さん。


 「この学校はつい先日までいなかった者がいて、いたはずの者もいつの間にかいなくなっている。不思議だよね、ここに来る前に何をしていたかもあまり覚えていない。おぼえているのはたぶん先生をしていたことくらいかな」

 

 「そうなんですか、僕もいつか忘れるんですかね」


 「ここはいろんな世界の者が、物が流れてくる不思議な学校。それでいいじゃないか」


 「結局ふわっとしたまま何もわからないままですね。ここが死後の世界なのかとかわかれば良かったんですけど」


「そんな感じの創作を見た覚えがあるね、何だったかな」


「そんなことより多分そろそろ……」


 バリーン!!

 キャアー!!!

 ドカーン!

 カリバー!!!

 ア〇ンスラーッシュ!!

 お察しの通りにカラスの割れる音や悲鳴、爆音が鳴っていた。窓から外をのぞくとSDK48がダンスを踊りながら生徒たちと戦っていた。ブレイキンな動きで某獅子王の様な勇者や変なおっさん、はてには魔法少女まで戦っていた。


 ルイ君は聖剣(レプリカ)を鈴のなるような音ととも顕現させ(知り合いにアクセサリー化の処理をしてもたった)、校長はフサフサをザワザワと伸ばし剣や盾・鎧のような形にした。


「「行きましょうか(行こうか)」」

 

 

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