第7話《閑話》質問箱「サーモン・ファンタはなぜサーモン・ファンタ?」
綺麗に整った普通の教室で、いつもの問題児である
「みなさんおはようございます。今日は皆様の質問から1つお答えしていこうと思います。司会のナゲキ・ルイと」
「マッドに輝くイチバンボシ!
わー!パチパチー!どんどんパフパフー!っと部長(錬)が騒いでいた。
が、ルイくんはスルー。
「では質問箱(ヤラセ)に入っていた皆様からの質問を読み上げますね。」
ふむふむ、とルイくんは少し考えるように内容を読み上げた。
「「幻想生物研究部のサーモン・ファンタ部長さんはなぜサーモン(鮭)・ファンタ(炭酸飲料)なんですか?」ですか」
「むむ!難しい質問だね?」
「いや、そんな難しくないと想いますよ?多分親御さんかご先祖さんが……」
「それ以上はいけないよルイくん、邪推は侮辱にもなる」
なんかまともなこと言ってる!?っとルイくんは驚いていた。
「では、本人に聞いていきましょう。どうぞお入りください」
ガラッと扉が開いて入ってきたのはもちろん幻想生物召喚研究部の部長、サーモン・ファンタその人だった。
「くだらんことで呼び出しおって。おい!錬金術研究部!貴様またうちの部から備品をくすねていただろう!」
長いピンクブロンドの髪に細長く尖った耳、まごうことなきエルフの女性がそこにいた。
「いや~、鍋の具材が足りなくてね。ありがたくサモキルさせてもらったよ。」
サモキルとは、召喚(サモン)して即キルする事である。具材が揃うまでリスキルである。
「まあいい、いや良くないが。本題だ、私の名前のことで質問があるのだろう?貴様らはいつもシャケファンタや鮭ソーダなどと分けのわからんことをのたまうからな。きっちり説明してやろうではないか」
それで変な呼び方はなくなるだろうとばかりに言っているが、それは多分無い。
ルイ「では、サーモン・ファンタという名前の由来を教えてください」
部長(錬)「そうだそうだー!ホニャララの義務があるぞシャケ!」
部長(幻)「黙らんか!」
「そうだな、始まりはそう……」
長くなりそうだな。
「祖先がまだ個の名前がなかった頃、異世界から召喚した異世界人より伝わった固有名詞などの単語から我らの氏族の役割などになぞらえて名前をつけたのだ。我らの氏族は森を守るための守護獣などを異界から呼び寄せる。召喚の事を異世界ではサモンと呼ぶらしく、我らが呼び出している生物などを幻想生物とくくるらしい。幻想をファンタジーと呼ぶゆえにこの名前がついた。」
マド「ん?サーモンがサモン(召喚)で、ファンタが幻想(ファンタジー)なのはわかったけど祖先の名前だよね?」
「私は族長の娘だ、このわけのわからない異界(学校)に迷い込む少し前、名前を継いだ」
ルイ「なるほどー。つまりはエルフ氏族的にはむしろ誇りある名前なわけですね」
マド「その異世界人は日本人なのかな?聞いた感じそんなふうだけど」
サーモン「ん?そのものが来た国はジャパプリカと言っていたらしいが」
なんだか日の丸じゃなくて赤パプリカの国旗が浮かぶぞ。
おや?とルイくんは首をかしげるがマド部長がしゃべる。
マド「あー、あの国は何故か異様にパラレルワールドが多いからね。ルイくんと私も別の日本もどきから来てるしね」
と、ビックリ情報をぶちまけた。
ルイ「初耳なんですが」
マド「聞かれてないしね、お互い日本としか言ってないし」
質問箱のコーナーなのに謎が増えた……嘆かわしいぞな。
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