第6話 本好きと古本屋
僕は、古本が大好きだ。と言うか、古本屋がものすごく好きだ。あの古本の香りが好きなのだ。ゆくゆくは、家を古本まみれにしたいのだ。だけど、この古本屋の本1冊1冊が高いのだ。なぜなら、世界各国の本が売っていたり、昔ものすごく売っていた本が売っていたり、もう歴史的資料で博物館などで保管している本が売っているのだ。だから高い。僕は、ある大学に通っている学生だ。だから、お金が無い。色々な物にお金を使うので無くなってしまう。本は、3ヶ月に一度買えるがどうかぐらいだ。だけど、時間がある日は必ずこの本屋に通う。そのせいなのか、この本屋の店主と仲良いのだ。だからといって本が安くしてくれる事は無い。本を買うのは、僕へのご褒美なのだ。現在この本屋で買った本の合計は、10冊になる。と、言うことは、2年6ヶ月ここに通っていることになるが、そうでは無い。僕がここに通ってからで考えると、5年を超える。と、言うのもここには沢山かよって1冊目を買うまでに凄い時間をかけているのだ。だが、そこからは早かった。2冊目はそこから2年後、3冊目は2冊目から1年後と、どんどん買うのが早くなっている。これが、困った。現在貯金1000円。手持ち一万円。5月1日。頑張れば、本一冊買える。その代わり一ヶ月水で過ごす事になる。それは、さすがに無理でしょう。聞いた話によると、水だけで五日しか生きられないらしい。二回目だが、それはさすがにだろう。この本屋一つだけ他の古本屋とは違う所がある。それは、この店が開いている時間が24時間開いているのだ。この店には店主と、奥さん、子供が暮らしている。子供は多分小学生だろう。多分私立の。その家から制服で出て来ている所を何度か見ている。それはそうと、どうやってこの店は営業しているのだろうか。前に僕はこの店に0時ぐらいに行った事がある。その店は、明るくなっていた。店主はほこり取りをしていた。店に入った僕を見て笑顔で「いらっしゃいませ」と言っていた。なんの疲れも無く。そうだ、せっかくなら古本屋の店主を紹介しよう。その店主、男女どちらにも好かれそうな顔をしている。話すのも気さくで、身長も多分180センチぐらいあるだろう。多分30代前半ぐらいだろう。若いうちに結婚をしたのだろう。その時に、なぜこの店は24時間やっているのか聞いてみたことがある。そしたら店主は、「やる事が無いのです。それなら、本屋を開けておこうと思ったんですよ」と言った。寝ている時間は無いのかも聞いてみた。店主は、少し笑った後「大丈夫寝ていますよ。昼から夜明けまで僕が担当して、それ以外は妻が担当してくれるんですよ。」と言った。だが、朝学校に登校するときこの本屋を少し覗いたことがあった。その時にこの方を見たような気がする。その時は、急いでいたから奥さんと、見間違えたのかも知れない。
ここはある研究所、僕はここの研究員で日々色んな不思議な物について調べている。「今日は、冷えますね」「そうだな。外を見れば分かるだろう。冬だ。だから寒い」「まあ、そうなんですけどね。」この事実しか言わない人は、僕の同僚で、大学からの仲である斗真。その時から今の今までずっとこの調子だ。斗真は、パソコンからこちらを振り向き「どうだ。No.34975について」僕は、斗真から目を離して「それが、ね。なんにも分からない」斗真はため息を吐いて、「じゃあ、付いていくぞ。ほら、もうすぐじゃないか、定期検診」僕は、腕時計を見て「あ、本当だ!え、着いて来てくれるの。お願いします!」僕たちは、慣れないスーツの上から外套を着て外に出た。「雪積もってるね。」「そうだな。滑んない様にな」僕は、斗真の顔をのぞき込んで「分かってるよ。」とかなんとか話して言いたら、No.34975についた。僕は、それを見上げて「やっぱり大きいね」斗真は中に入って「それはそうだ。建物型の不思議だからな。さ、行くぞ」僕は、追いかける様に「ちょっと、待ってよ。」中は、普通の古本屋であった。斗真は、手帳を取り出して「本は異常無し、店内も異常無し。そっちは、見たか?」「あ、今見るね」そんな事をしていたら、中から多分店主であろう者が出て来た。その店主は、斗真を上から見て「何かお探しですか?」斗真は、店主を見て「少し、面白そうな本が無いか探していましてね。」店主は、少し見回して「そうでしたら、こちらはいかがですか?」その店主は、何処からか本を持って来た。その本は、斗真が長年探していた本であった。斗真は、「やっぱり、使える」店主は斗真の事を見て「何か、おっしゃりましたか?」斗真は、いつもする営業スマイルで「いえ、何でもありませんよ。」店主は、ニコッとして「そうでしたか。では、また何かあったらお呼び下さい」と言って店主は、どこかに行ってしまった。斗真は、僕に手招きをして呼んだ。「何かあったの?」斗真は、手帳を閉じて。その本を買って。僕たちは、店外に出た。「さ、行くぞ」僕は何も分からないので、「どういうこと?」「これは、使えるぞ」
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