第8話 ある吸血鬼の休日
僕は、吸血鬼だ。そう、みんなもよく知っているあの吸血鬼だ。僕ら、吸血鬼の嫌いなものと言えば、十字架、ニンニク、太陽だろう。僕も例外では無い。僕は、この街で人間として生きている。だが、普通の人間の暮らしは出来ない。なぜなら、太陽のせいで身体は砂になるし、普通に十字架は死ぬし、ニンニクは、継続的な毒を付与されてる様な物だし。だから、ニンニクを使う飲食店は働けないし。教会は、そこかしこに十字架ある。と、言うか普通に昼で働くことは出来ない。だから、仕方なく夜職に落ち着くのだ。僕の仲間も人間界に暮らしている奴もいくつかいる。そいつらは、迷い無く夜職で働いている。例外で昼職の奴もいるが。そいつらは、お金を沢山持っている奴だけだ。そんな奴は、もう人間界にはいないだろうここに来るのは、一種の昇級試験みたいなもんだと思ってもらって良い。この試験をクリアするためにはいくつかの条件がある。一つ、この世界のお金を十分貯めろ。一つ、ある人物に会う事。一つ、ある問題を解け、の3つだ。これを何年何十年何百年たったとしても見つけろと、言うことらしい。これを成功出来た吸血鬼は、世界で3人はしかいないらしい。しかも、皆教科書に載っているほど有名な。現在吸血鬼は全世界合わせて、1000万人いる。だが、この人数がこれを成功させるのはむずかしいのだ。なぜ、こんなにいるのに3人しか成功者がいないのかと言うと、こんな奴がいるからだ。それは、エクソシストなんて奴らだ。そいつらは、僕たちのことを悪魔かなにかだと思っているらしい。そのせいで、仲間が殺されて行っているのだ。僕たちは、そんな野蛮な者では無いのだ。そうそう言い忘れていたことが一つあった。この、昇級試験をクリアしたら。何処かの国の神になれるのだ。そんな神のタマゴ達を殺すなんてどんなことを考えているんだ。エクソシストって奴らは。そのせいで、そいつらに隠れながらこの試験をクリアしていかなければならない。このエクソシスト年々増えているらしい。なんてことだ。おかしくない。あって、抗議しようとも、声を出し前に殺されるからな。しようにも出来ない。あいつらの方が、野蛮なのでは無いだろうか。現在僕は、あるバーで働いている。そして、そこで働いている。エクソシストに見つからないように。物凄いくさい香水を付けて。これをしないと吸血鬼の香りを嗅ぎつけたエクソシストがこの店に来てしまう。僕が死ぬのも良くないが、この店をぐちゃぐちゃにされるのも困る。正直この香りは、僕は苦手だ。適当なスーパーで見つけたできる限り安くて大量に入っている香水を選んだからだろうか。そういえば、この香水どんな香りなのだろう。ローズの香りか。少し嗅ぐくらいなら良いのだが。ずっと嗅ぐのはキツすぎる。まあ、そんな感じで日常を暮らしている。だが、今日は休みなのである。休日は、僕が好きなものを見に行くのが日課である。それというのは、駅なのである。有名な駅から、だれも降りないであろう無人駅まで津々浦々の駅を見て、写真で撮る。それを現像してアルバムに保存する。なにか悪いことや、何か怒られて落ち込んだ時にそれを開いて元気をもらう。そろそろ日も落ちてくるだろう。今日は、ある秘境のある駅に行こうとしている。ここから、飛行機で5時間ぐらいかかるか、僕が、ぴゅっと飛べばすぐ着ける。着いた。ここは、近くに、或る滝がある駅なのだ。これが或る駅は、ここしか無い。なんとも涼しい駅だろう。時刻表を見たら。この駅、1日に3本しか来ないらしい。ぴゅっと来たときにこの周りを見たのだが、この周りには、家が3~4件ぐらいしか無かった。それ以外は、畑、畑、畑。しかも、一つ一つがものすごい大きいのだ。さ、そろそろ中に入ってみようか。扉は閉まっているが、僕たちは簡単に入れるのだ。案の定中は、真っ暗で何も見えない。まあ、夜の中でもよく見えるような目だから何でも見れるんだけどね。と、中を探索していると、奥から革靴の足音が聞こえた。僕は、その音の方を振り向き「誰だ。」多分男であろう。優しそうな声で「まあ、まあ、落ち着いて下さい。貴方、吸血鬼の方でしょう」何で、知っているんだ。「何で知っているんだ。」こいつ僕の心を読めるのか「こいつ僕の心を読めるのか。ですか?」僕は、動揺しながら「お前はだれだ。」その男は、こちらに近づき「一つ、この世界のお金を十分貯めろ。一つ、ある人物に会う事。一つ、ある問題を解け。この私は、この中の一つ、ある人物に会うこと。そして、一つ、ある問題を解け。の管理者」「え、貴方一人で二つ分?それにしても、なんで貴方ということが分かるのですか。確証は?」その瞬間、僕の腕に強い痛みを感じた。僕は、袖を捲った。「なにこれ。」そこには、あるマークが付いてあった。「それは、言ったらスタンプみたいな物だ。説明が簡単。それが、3のうち一つをクリアした証となる。」僕は、その痕をこすりながら「それで、問題ってなんですか。僕は、この駅を見に来ただけなんですけど。」その男は、僕の額に手を乗せて「これが、問題だ。これが解けたらまた私に会いに来い。そうそう。その証一つあれば、吸血鬼の苦手な物の中の一つ太陽を克服できるから。」「え、今太陽を克服できるって言った?」
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