第7話 鬼の正体
翌日、篠田は本社へ向かった。
鬼の正体を探る為だ。
各店舗の店長のみが入室を許可されている鍵付きの資料室に入ると、そこに一枚の写真があった。
そこには若かりし頃の鬼の写真、白衣姿でラーメンを差し出している姿。そして静岡南店店長神山一徹と書かれていた。
「うちの店長だったのか……」
そこに社員の1人が入ってきて神山の事を話してくれた、神山はかつて「ラーメン虎之助静岡南店」の初代店長だった。
店の評判も良く売上も順調に伸びていた。
しかし、経営方針について新経営陣と衝突、何度も話し合いを重ねたが退職したという。
その後会社は例の試験を開始。審査員を選んでいる中たまたま街中で見かけた神山に声をかけ特別審査員という形で本社勤務として復職させた。
しかし、他の審査員が試食している最中神山は一口も口にせず皆が食べ終わった後にようやく口にするのだが、中々審査結果で満点を出す事が無い事からいつしかチェーン店の鬼と言われるようになったのだと言う。
これが篠田が知らない鬼の正体だった。
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