恐怖の核心

「本当に誰かいるのかよ?」

タクミが震える声で尋ねる。


プールサイドに水滴が落ちるような

「チャポン」という音が響く。

4人は身構えるが、何も見えない。


ユウキがプールの中央を指差す。

そこには、ぼんやりとした影が揺らめいていた。

まるで水底から浮上してくるかのように。


マユが持っていた強力なライトを水面に当てる。


光が水底に届くと、そこに沈んでいたのは

判別不能な何かだった。

形は歪み、まるで人の形を保っていたものが崩れ落ちたようにも見えた。


「触らない方がいいって!」マユが叫ぶが

好奇心に駆られたユウキがその「何か」に手を伸ばそうとする。


その瞬間、プールの水面が不自然に揺らめき、ユウキの足首が水中に引き込まれた。


「うわぁぁぁぁぁっ!」


ユウキの声は水中に吸い込まれ、もがく姿も一瞬のうちに見えなくなる。

水面は激しく波立ち、やがて静まり返った。


ケンタたちは何が起こったのか理解できず

震えながら水面を見つめる。


ユウキは跡形もなく消え去り、プールの中央からは微かに泡が浮かび上がってくる。

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