第8話:プロの音色と、影の旋律

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@M.Yuzuki_piano 2025/06/30 14:00:00 JST

#クリムゾンシールド #プロの厳しさ #音楽とは

今日はクリムゾン・シールド様の練習を拝見させて頂きますわ。

プロの音楽には、どのような「厳しさ」があるのでしょうか。


@RefrainBeat_KANA 2025/06/30 14:30:00 JST

#目標に向かって #頑張るぞ

私たちも、クリムゾン・シールドさんみたいに上手くなりたいな!

でも、やっぱり音楽は楽しくないとね!


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怜は受付にいた。

今日はクリムゾン・シールドの練習日だ。

彼女たちのスタジオからは、

力強く研ぎ澄まされた音が響いてくる。

怜はコーヒーを一口含み、

その音に耳を傾ける。

彼らの音は、

怜の脳裏に、

かつて自身のバンド「ブレイズ」が

追求していた音楽を

微かに蘇らせる。

それは、美しく、

そして時に苦しい記憶だった。

怜の表情は、

相変わらず動かない。


【結月が見たプロの厳しさ】


結月は、クリムゾン・シールドの

練習スタジオのドア越しに、

その音に聞き入っていた。

響や奏、梓咲は、

自分たちの練習に夢中だ。

だが、結月だけは、

彼らの圧倒的な演奏に、

肌で感じる「プロの厳しさ」に

心を奪われていた。

神崎 晶が、

鬼気迫る表情でメンバーに指示を出す。

「このフレーズじゃ、

お客さんに何も伝わらない」

その厳しい言葉に、

結月はメモを取る手が止まる。

氷室 楓の冷静で的確なアドバイスにも、

結月は真剣に聞き入っていた。

スタジオに充満する、

プロとしての緊張感と

妥協なき音楽への姿勢。

それは、結月の知る

クラシックの世界とも、

リフレイン・ビートの

純粋な「楽しさ」とも違う、

剥き出しの情熱だった。


【オーナーの過去の残像】


怜は受付で、

二つのスタジオから聞こえる音を

聞き比べていた。

クリムゾン・シールドの、

完璧を追求する音。

そして、リフレイン・ビートの、

拙くても楽しそうな笑い声と演奏。

彼女の脳裏には、

かつての自分のバンド「ブレイズ」の

練習風景が鮮明に蘇っていた。

特に代表曲『Echoes in the Dark』の

複雑な構成を

練習していた頃を思い出す。

完璧を目指す厳しさと、

純粋に音を奏でる喜び。

そのどちらもが、

かつての彼女の中に存在した。

怜の表情には、

苦悩と情熱が入り混じっていた。

コーヒーカップを握る手が、

微かに震える。


【リフレイン・ビートの輝き】


リフレイン・ビートのスタジオからは、

『きらめきノート』のメロディが

楽しそうに響いてくる。

拙いながらも、

彼女たちの音には、

確かに「きらめき」があった。

怜は、窓の外の夕焼けを見つめる。

茜色に染まる空が、

彼女の心を微かに揺らす。

「…何が正解、か」

彼女は小さく呟いた。

プロとしての完璧さ。

純粋な音楽への情熱。

どちらも真実だ。

それは、怜がかつて

抱えていた葛藤そのものだった。

だが、リフレイン・ビートの音は、

彼女に新たな問いを投げかけていた。

音楽の本質とは何か。

彼女の心に、

微かな波紋が広がっていく。


怜は再び書類に目を落とした。

しかし、その心は、

遠い過去と、

目の前の少女たちの音の間で、

静かに揺れ動いていた。

その揺らぎは、

誰にも気づかれることはない。

ただ、静かに、

怜の心の中で、

新たなビートが

刻まれ始めていた。


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@M.Yuzuki_piano 2025/06/30 17:00:00 JST

#クリムゾンシールド #プロの厳しさ #音楽とは

クリムゾン・シールド様の練習を拝見させて頂きました。

その技術と情熱に感銘を受けましたが、

どこか厳しい雰囲気が漂っていました。

音楽の「楽しさ」とは異なる「何か」を感じましたわ。


@CrimsonShield_Akira 2025/06/30 17:30:00 JST

#RhythmGarden #音楽の在り方 #葛藤

子供たちの楽しそうな音。

あの頃の自分たちと、今の自分たち。

何が違う?問いかけるばかりで、答えは見つからない。

神楽坂怜氏も、何かを言いたげだったが…。


@RhythmGarden_Ray 2025/06/30 18:00:00 JST

#葛藤 #本質 #どちらも真実

結局、どちらも真実だ。それだけのこと。


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【次回予告】

奏:「私たちの新曲、デモ音源作ってみない!?」

響:「え、でも録音とか、どうやるの…?」

怜:「…お前たち、また騒がしくなるぞ」

梓咲:「これは、また何かあるな」


次話 第9話 初めての音録り、そして真実

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