15 VS原作主人公
「さあ、最強の剣士と最強の【カウンタ―】使いの戦いだ!」
「どっちが勝つんだ、この夢のカード!」
「かたや、王立騎士団の超天才ゼオル! かたや、王立騎士団の超新星ジルダ――さあ、どっちに賭ける?」
おいおい、賭けまで始まってるんだが……。
俺は思わず苦笑した。
「さあ、始めようか!」
ゼオルが剣を構えた。
「いいぜ」
俺は剣をだらりと下げた自然体の構え。
「決着をつけようか」
これこそが【カウンタ―】戦術の俺にとって最強の構えだ。
「いくぞ!」
短く叫び、ゼオルが踏み込んだ。
その動きが大きくブレる。
いや、あまりにもスピードが速くて残像が生じているのだ。
「こいつ――」
速い!
あのレナの【縮地】よりも、さらに速い!
総合的な剣の実力なら彼女と同レベルかもしれないが、スピードに関しては明確にゼオルの方が上だ。
つまり、ゼオルこそが最速の騎士――。
それは俺の【カウンタ―】にとって、もっとも強力な武器となる。
「――とはいかないよな」
次の瞬間、俺の体は勝手に反応していた。
そう、相手がいくら速くても関係ないんだ。
俺の【神速反応】を撃ち破ることはできない。
ばしーん!
さらに次の瞬間、ゼオルの体は宙を待っていた。
さすがに相手が速すぎて、【カウンター】の威力を調整しきれなかった。
大きく吹っ飛ばされたゼオルは、そのまま派手に地面に激突する。
「がはっ……」
「だ、大丈夫か!」
俺は慌てて駆け寄った。
「まだだ!」
元気よく立ち上がるゼオル。
さすがは勇者、タフだ。
とりあえず大きな怪我はなさそうでホッとした。
「――この俺を吹き飛ばすとは。マグレとはいえ、褒めてやる」
「どうも」
「だがマグレは二度続かん! 今度こそ俺が勝つ!」
言うなり、また突っこんでくるゼオル。
その動きはまたも残像を残している。
しかもブレ幅が大きくなり、まるでゼオルが数人に分身したように見える。
「これが俺だけが使える最速歩法――【
一、二、三――全部で六人のゼオルが同時に襲い掛かってきた。
「すごい――」
俺は息を呑んだ。
分身が相手でも俺の【カウンタ―】は通用するのか!?
反射的に身をこわばらせる。
ばしーん!
普通に通用しました。
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