《第六章》第三節:南国の眩しさ、そして予想外の再会
ハワイに着いた。日本の梅雨明けの蒸し暑さとは違い、からっとした暑さに、心地よい風が吹いている。広がる青い空とエメラルドグリーンの海。まさに楽園だな。俺は桃の肩から、この眩しい景色を眺めていた。
結婚式は明日だ。今日は、式の下見と、親族や親しい友人との食事会があるらしい。
桃は、眩しい日差しの中、真司と手を繋ぎ、幸せそうに歩いている。真司もまた、普段のスーツ姿とは違う、リゾート感あふれる服装で、桃の隣で穏やかに微笑んでいる。
食事会の会場は、海の見えるレストランだった。
すでに親族や友人たちが集まっており、和やかな雰囲気に包まれている。桃の両親も、真司の両親も、本当に嬉しそうだ。
そんな中、桃が、嬉しそうに声を上げた。
「あ! 〇〇先生! いらっしゃってたんですね!」
桃が駆け寄った先にいたのは、見慣れた顔だった。
なんと、あの阿闍梨様……いや、坊主がそこにいるではないか。
坊主は、日本の時と同じように、親しみやすい笑顔を浮かべている。
「久山殿、三上殿。この度は、誠におめでとうございます。二人の門出を祝うべく、はるばる参りましたぞ」
坊主は、そう言って恭しく頭を下げた。
真司も、坊主の登場に驚いたようだが、すぐに笑顔で挨拶を交わす。
「阿闍梨様! まさか、ハワイまでお越しいただけるとは思いませんでした!」
「うむ。ゲームの進捗も気になったが、やはり二人の晴れ姿をこの目で見たかったのでな」
坊主は、冗談めかしてそう言った。どうやら、彼らはあの護摩焚の後に、何度も連絡を取り合っていたらしい。毎年の護摩祈願も欠かしていないのだ。真司の「EchoMind」や桃の「ELエンジン」についても、坊主は興味津々で、色々と助言もくれていたそうだ。
坊主は、桃と真司の間に、新たな絆が生まれたことに貢献してくれたのかもしれない。そして、俺にちらりと視線を向けた坊主は、いつものように、俺が何かを察しているかのように微笑んでいる。
食事会は和やかに進み、皆が二人の結婚を祝っていた。
俺は桃の肩の上で、この眩しい南国の地で、彼らの純愛が新たなステージへと進むのを見届けていた。
明日は、いよいよ結婚式。
どんな一日になるのか、俺のひねくれた心は、期待でいっぱいだ。
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