×16のマジックチューブ!:緊急配信!完全解決しました!

み、皆さ、さん。落ち着いてください。これが本当に最後であったとしても、僕は後悔はしませんよ。だから――見ていてください。


僕は最後まで実況しますよ……。


(乙女ユカロは静寂の中をロクに向かって歩いていた。)


(ドシャ!パーケンが力なく崩れ落ちる音が響いた。)


《あの目はやばい、ロク逃げろよ》

《さようならロク》

《俺もやられるのかな?》


お、”乙女”ユカロが僕の前に来ています。


し、心臓が破裂しそうです。ドクドクと鳴っている音が聞こえていますか?


彼女は僕の頭を両手で掴みました。 はい、絶対に配信は止めません。


(冷たかった瞳に、微かな光が宿り…)


急に視界がユカロさんの胸で埋め尽くされました……って、うわっ!ものすごく柔らかい感触がしますよ、これ!そして、ユカロさんの息遣いが、こんなに近くで聞こえるなんて……これ、僕、生きてますよね?


「う~、ぅえ~ん。あなたのせいよ……責任取ってよね!」


《取ってやれよな》

《うらやまなんですけど》


「え、え、ちょっと待ってください……どうしたらいいのかな?」


「えっ!今、あなたのせいで私に付いた匂いを嗅がせたでしょ?わからなかったの!?もぉーう!!」


あー皆さん分かりました!”乙女”ちゃんと出会った時に使った『悪臭でモンスターもイチコロ』の匂いだと思います。

もう微かな匂いですけど、ユニコーンの敏感な嗅覚にはわかるのでしょうか。

それで”乙女”ちゃんから逃げていたみたいですね。


「クンクン。なんだかいい匂いになったわ?もしかしてあなたの汗がいい匂いなの?」


「え、あ、あはは。ちょっとま、まってぇ~!」


「この泡のおかげで、あの嫌な匂いが消えたわ!」


(ユカロは、自身の背中や足などをロクの体に擦りつけ始めた。)


「あ~、お、乙女がそんな事してはいけないのでは~。ははは~!」


《ちゃんと見せろ》

《見えないぞ》

《おい、俺とかわれ》


ぜーはーぜーはー。ど、どうやら終わったみたいです。僕に付いた石鹸水で中和できたようなんですが、どうなったのかはちょっと待ってくださいね。一分、いや、三十秒休ませてくれ……。


(ロクは仰向けになっており、カメラには青空だけが映っている。)


(カパッ、カパッ、と馬がそばに寄ってくる音が聞こえる。)


「よいしょっと。ありがとうね。あなた、名前は何て言うの?」


「僕の名前はロク。バツイチロクって呼んでください。」


どうやら”乙女”ちゃんはユニコーンに乗れるように戻ったみたいですね~。よかったです。


「そう、バツイチロクね、わかったわ。もうあなたに出会わないように気をつけるわ。それにこの変な人たちもね。それじゃあ、さよなら。」


はい、”乙女”ちゃんを乗せたユニコーンが去っていく音がしますね。まぁ、これでよかったですよね?皆さん。僕もそろそろ行きますよ。あの人たちは平気でしょう、パーケン以外はですが……。


では、配信はここで終わります。


見てくれてありがとうな!次のモンスター攻略配信で会おうぜ!

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