第17話 強制的に家に泊まらせてお風呂に入らせる



「無理無理! さすがに私帰るから、帰るったら帰る!」


「いやいや何言ってんの。ダメ。帰らせない」


俺は蜜柑の細っこい腕を掴み、離さない。地味に抵抗するも俺の力の前では無力である。


「やだ! 小田島と二人きりで寝泊まりなんてしたら……私、もう終わりよぉ!!」


「多分、変な事しないから頼むって」


「嘘よ! 顔に書いてあるわ! 100%嘘! 誰か助けてぇぇ」


「ちなみに助けは絶対に来ない。今日は両親帰ってこないってさっき連絡あったから全く持って無駄な足掻きだ。むしろずっと二人だよ」


「うっ、最後の希望すら絶たれたのね……私、もうお嫁に行けないわ」


「何で俺が事を起こす前提なんだよ!」


俺は駄々をこねる蜜柑をひたすら説得する。


「心配すんなって。明日の四天王戦に向けて予行演習するだけだから」


「な、何の演習よ!」


「棒だよ、棒」


「棒?」


「おぅ。この棒ね」


俺は元気にそびえ立つ現在育成真っ只中の下腹部を指差す。


「うぇ……ズボンの盛り上がり方気色悪。ま、まさかこの汚らしい物を咥えろとか言うんじゃないでしょうね…………嫌よ! 絶対嫌! 帰る帰るぅぅぅ!」


「はぁ、相変わらず我儘な娘だなぁお前は。仕方ないか。こうなったら学校の掲示板に恥ずかしい写真全部貼り付けちゃうしかないよな……」


(ぐっ、底辺の癖して調子に乗りやがって……)


「おおん?! なんか言ったかぁ?!」


「コホン、しょうがないわね……アナタの口車に乗ってあげるわよ。但し、絶対に襲ったりしないでよね。まだそういうのは……心の準備が出来てないのだから……」


な、なんと?! これは近い内に合体出来るチャンスがくるかもってことだよな!


さっさと心の準備を整えてきなさい。俺の棒が暴発する前に出来るだけ早めにな。


俺は掴んでいた蜜柑の腕を離してあげた。


「今日だけは特別に泊まってあげるわ」


「さすがは我が奴隷。褒めて遣わす!」


蜜柑の監禁…………間違えた。蜜柑とのお泊まりが決定した。


「ちょっと家に連絡入れるから、トイレ借りるわね」


「おま、逃げるつもりか!」


「違うわよ! いいから大人しく待ってなさい!」


何故か命令される俺。主人としての立ち位置が危うくなりつつある今日この頃。


これはまたしても調教し直しかな…………。


自宅への電話を済ませた蜜柑はノコノコと部屋へ戻ってきた。


トイレは一階にしかないのでそのまま夜逃げするかと思っていたが、約束はしっかりと守ってくれる。


おっと、蜜柑のホラーな話を聞いていたらもうこんな時間じゃないか。


時刻は既に夜の八時を回っている。


そろそろ風呂にでも入って疲れを癒すとするか。


……あ、良い事思い付いちゃった。


「蜜柑ちゃーん、お風呂の時間よぉー!」


「入りません」


「何で?」


「人んちのお風呂に他人が勝手に入るなんて迷惑でしょ?」


「うちの親はそういうの全く気にしないし、問題ないよ?」


「そうなのね……」


「蜜柑の蜜柑洗わないと」


「洗いません!」


俺は面白くなってきたので、更に蜜柑を煽りにいくことにした。


「うわぁ、蜜柑って毎日お風呂入らないんだぁ〜不潔な女〜」


「別に毎日入る必要ないでしょ! それに不潔じゃないし、人一倍清潔感保ってるし!」


「いいから入りなさい。夏も近づいてきて気温も上がってきてるんだから、体洗わないと臭うぞ」


「アナタってほんと失礼な男ね……まあいいわ。今日は多少汗もかいたし、迷惑じゃないなら借りてもいいかも?」


「おけ。じゃあ風呂沸かしてくるから待ってて」


「はいはーい」


蜜柑のためにも飛び上がるほど熱熱の湯船を張ってあげないとな。


えーっと、ボディソープってあったっけ? 俺がいつも使ってる固形の石鹸だと洗い辛いかも? 悩ましい……。


シャンプーとリンスは母親と姉貴が使ってるのでいいよな。


バスタオルはどうするか……俺の使い古したバスタオルでもいいかな。


……やっぱ新しいの用意してやろう、さすがに汚いし。


よくよく考えてみれば、俺って女子を家に泊めた経験がないから、こういったお風呂シーンには慣れてないんだ。


急だったからなんも用意してないって理由もあるけど、お風呂一つ取っても考えることが絶えないんだと実感したよ。


俺は蜜柑の元へと戻り、風呂への誘導を促す。


「そろそろ風呂沸かし終わると思うから入ってきていいぞ!」


「ありがと。じゃあ遠慮なく使わせてもらうわね」


「ごゆっくり寛いできてねー!」


俺は満面の笑みで見送った。


終わり。





















…………。


ま、これを見てるみんなはさ、俺が覗きに行くとか思ってるんだろうな、うん。


そりゃ美少女生徒会長の全裸を見たいっちゃ見たいけどよ。俺は紳士だから、そんな不審者みたいなことしないって。


大丈夫、俺もさすがに弁えてるから。


でもさ、多分みんなも一度は経験してると思うんだよね。


風呂から上がる時に! どうしよう! なんてことあったりするよな。


ほんと俺って忘れっぽいからうっかりバスタオルを渡し忘れちゃったんだよね。


蜜柑もああ見えて結構抜けてるとこあっておっちょこちょいだからさ。


男の家の風呂を借りてるって状況から、ただでさえ焦ってるから、絶対忘れてるよ。



…………ザ・不可抗力!! 発動!!



その内『バスタオルがない』って言ってくるだろうから、風呂場の近くでゲームしながら待ってるわ。


俺、待機中。


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校舎裏で立ちションしている生徒会長を見かけてしまった。お願いだから言わないでと懇願されたので、この際だから奴隷にしてみた 蓮根 @0wc2k

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