第3話 【二度目の異世界・3】
そうして色々と考え数日が経ち、俺はとある店に向かった。
「これはこれは、エリク様。今日はどういったご用件でしょうか?」
「ここに来るって事は一つでしょ、奴隷を買いに来たんだよフリッドさん」
奴隷。
この世界では奴隷制度があるが、そんなに酷い扱いはされていない。
奴隷に落ちる身分として二つあり、一つは犯罪を犯して奴隷となる〝犯罪奴隷〟で二つ目は借金によって奴隷となる〝借金奴隷〟。
ただどちらも衣食住に関しては、奴隷商人が責任を持って提供をしている。
また奴隷を買う者も奴隷に対して、衣食住の提供が義務付けられている。
「奴隷は高価な物です。そんな奴隷を買うと言う事は、エリク様も5歳になったんですね! おめでとうございます」
奴隷商人フリッド。
グレンシャル商会に属す商人の一人であり、父さんの代から奴隷商をしている。
奴隷商として商品である奴隷の事を大事に思っており、他の奴隷商よりも扱いが丁寧。
そのおかげで他の奴隷商よりも商品である奴隷の数も多く、様々な奴隷を見れる為、俺は今日ここに来た。
「エリク様の所望するのはどういった奴隷でしょうか? やはり最初は〝借金奴隷〟からの方を私はお勧めいたします」
「俺もそのつもりだよ。俺がする事を考えたら〝借金奴隷〟の方がいいからね」
「分かりました。それでは、奴隷の所までご案内いたしますね」
それから俺はフリッドの案内元、奴隷達の所とへ向かった。
奥の部屋には沢山の奴隷達が居り、フリッドさんの姿が見えるとずらっと横一列に並んだ。
「他の部屋にも居ますが、こちらの奴隷達はエリク様のご要望である〝読み書き〟の出来る者達でございます」
この世界では読み書きのレベルに関して、前の世界よりも劣っている。
というのも学園はあるが生徒の多くは貴族で、その他の者達は金を持ってる家の子か特待生制度で入学してきた者達くらいだ。
それ以外の者達も読み書きを勉強しようと思えばできるが、それをするくらいなら生きる為に仕事をしている。
「フリッドさん、先に奴隷の値段だけど一人いくらしますか?」
「そうですね……今回はエリク様の誕生日祝いという事で、一人金貨十枚で五人まで良いですよ」
「そんなに安くしてくれるんですか!?」
〝借金奴隷〟の値段は、大体一人当たり金貨三十枚以上はする。
それなのに一人金貨十枚で五人まで買っても良いなんて、かなりの好条件だ。
「そうですね。理由は二つ、一つ目は誕生日祝いというのは本当です。商会の本部でも奴隷商は少し煙たがられてる存在なのに、そんな我が商店に来てくださったエリク様へのお祝いを渡したいという私の気持ちです」
「奴隷商は必要な所だと俺は思いますけどね。奴隷商はお金が必要な人からしたら最後の砦でもありますから」
「そう言っていただけると私も嬉しいです。そして二つ目ですが、エリク様はこれからも奴隷を買って下さる気がするので、我が商店の奴隷のレベルを見せておきたいというのもあるんです」
そうして二つの理由を聞いた俺は、フリッドさんと握手を交わし「色々とお世話になります」と言って奴隷選びを始めた。
選んでる最中、奴隷達には身の上話を聞きつつどんな人生を送って来たのか、どんな人物なのかを聞いて回った。
勿論、【鑑定眼】も使い奴隷達の能力を視つつ慎重に選び、一時間程掛けて5人の奴隷を購入した。
男性も買おうか迷ったが、今回は全員女性の奴隷にした。
「エリク様、この度は当商店をご利用してくださりありがとうございます。奴隷達の事、よろしくお願いします」
そうフリッドさんに見送られ、俺は奴隷達と共にある場所に向かった。
奴隷をそのまま家に連れ帰る事も出来るが、そうした場合奴隷達の管理不足という事になってしまう。
そうならない為、俺は事前に奴隷達を住ませる家を購入しておいた。
居住区の奥で売れ残っていた二つの庭付きの一軒家。
その二つの建物は、数ヵ月間売れ残っていた物件。
購入者が見つからない物件を二つ同時に買うからと交渉をして、何とか金貨二百枚で購入した。
本来の王都の物件からしたら、かなりの破格だが立地的に考えたら打倒かもしれない。
「最初五人も買うつもりが無かったから、狭く感じると思うがここで暮らせそうか?」
「勿論です。奴隷には身に余る程の良い家だと思います」
五人もの大所帯。
流石に全員を一人ずつ相手していたら大変だからと、リーダー役を決めて貰った。
その時にリーダーとして決まったのが、元々商人の娘として育ったが家の借金で身売りをしたヘレン。
読み書きは勿論の事、作法に関しても元平民にしては完璧でリーダーの素質もあった。
「日用品に関しては、奴隷を買ってから用意するつもりだった。取り合えず、これで用意してくれるか」
そう言って俺は金貨五枚を渡し、日用品と食材を買うように指示をした。
ヘレンはその指示を聞き、荷物が大量になると予想して三人の奴隷に必要な物を集めて来るように指示を出した。
残った二人には、家の掃除をする様に命じた。
「こっちの家は基本奴隷達の住居兼作業を主にする予定の家で、もう一つの家は俺が住む家だ。庭の方は後々使い道を考えるつもりでいるが、他になにかあるか?」
「特にはございません」
「そうか、それじゃ買い出しにいった奴隷達が帰ってくるまで綺麗に掃除をするんだぞ」
俺はそう指示を出し奴隷達の家を出て、隣のもう一つの家へと向かった。
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