#11
翌朝、彼女を腕枕していたおかげで腕がビリビリとしびれている。
目を覚ますと彼女はしばらく俺を見つめる。
『おはよ!ケンさん…』
「お、おはよう」と言ったものの、彼女を直視出来ずにいた。
彼女は『さ!起きよう!』と言うとナチュラルに俺の頬にキスをする。
俺は予想外の行動にしばらく固まっていた。
キッチンに立った彼女から声がかかる。
『ケンさん、昨日のカレー、食パンでディップして食べましょ?早く起きて!歯ブラシは予備があるからそれを使って下さい!これからまた使うだろうから、近々ケンさんのうがい用コップも買っておきますね』と言う。
「あ…うん…ありがとう」と言いベッドから出て洗面台の前に立ち歯磨きをした。
歯磨きを終えると朝食の準備が出来ていた。
テーブルに並ぶ食パンとカレー、それとコーヒーの入ったマグカップが2つ。
彼女がカーテンを開けると昨日の雨が嘘かのような青空が広がっている。
そして窓を開けるとふわっとした風が2人を包む。
席につき手を合わせいつもの「いただきます」をする。
スズメの声とそよ風が心地良い。
『2人で食べる朝ごはん、美味しいね』と彼女が微笑む。
「最高だね…」と言うが恥ずかしさから彼女を直視できないでいた。
『この後、買い物に行きましょう。
その後にいつもの喫茶店でコーヒー飲みましょう』と提案してくる。
「うん…そうだね」と彼女を見る。
少し頬を赤くして俺の肩に頭を乗せる。
つかの間の沈黙。
朝ごはんを食べ終えた後、洗い物をして出かける準備をして外へ出る。
並んで歩く彼女の肩を抱き寄せると、彼女は俺の腕をぎゅっとしてきた。
まるで『離さないでね』と言わんばかりに。
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