#6

シャワーを浴びる。

単身者住宅にしては風呂場が広い。

「俺の部屋より広い風呂場良いなぁ…」

そう呟きながら身体を洗う。

前側を洗っていると、ガチャ…と扉が開く。

「え?!」と考える間もなくそのこが入ってくる。

「ちょ………何してんの?!」と思わず声が大きくなる。

『え?ケンさんの背中を流そうと思って入ってきました…』

「あの…恥ずかしいんだけど…」と彼女に言うと、『私は平気です!はい背中流しましょう!』とボディタオルを取られるとそのまま背中を流される。

「そのちゃん…あなた積極的なのね…」

緊張からまるで女性のようになってしまう。

『だってケンさんたら、消極的なんだから…私からいくしかないじゃないですか』

と言う。

「ん…そりゃ大切な人だから…」

そう呟くと彼女の手が一瞬止まる。

『そっか…嬉しい』

そう言うと再び背中をこする。

彼女にされるがままに背中を流されてしまった。

「ありがとう…」と言い浴槽側へ移動して彼女を直視しないように背中を向ける。

『ふふ…かわいい人…』と呟きながら彼女は自分の身体を洗い始めた。

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