Battle 3
ユーリーVSソニア
第32話 輝石を巡る攻防
ライザス・ウェルザーのオフィスにて。
オンラインで進化の輝石争奪戦を楽しむ世界各国の大富豪達。
丁度、劉麗蘭がクーロンからの刺客麟飛魯を倒した映像が流れ、賭け金変動の騒然が起こる。
「皆さん、だいぶ予想が外れたようですな…。」
ライザスは笑みを浮かべつつ、一人無表情のパピルに目を向ける。
「如何ですかなマダム・パピル?」
ライザスはクリストファーやフェイロを影で操っているのがパピルだと確信しつつ、声を掛ける。
「フェイロでは麗蘭に勝てないのは分かっていました…。」
パピルの前にある金額の数値は更に跳ね上がっている。
「おお!またマダム・パピルの勝ちか…。」
「素晴らしい勝負運だ…。」
富豪達は美しきパピルを称賛するが、彼女は表情を変えずに次の勝負に臨もうとしていた。
「麗蘭やユーリーは、気獣聖霊の使い手としてかなりの経験を積んでると見ました…。そして銀影と呼ばれる志摩寛之介も…。勝負はこの三人により左右されるでしょう。」
パピルの読みにライザスも頷く。
「最終的には輝石を持って島を出た者が勝利者となるわけだが、マダムの賭けた選手はまだ残っていると言うわけだね?」
パピルは黙ったまま頷いた。
「残るチャレンジャーは五人…。現在輝石を持っているのはソニア・シャラポワ…。彼女が今一番有利だね。」
ソニアもパピルが手を回す闇の気獣士と考察するライザスに対し、彼女は微笑む。
「フフッ、このままならソニアが優勝になるでしょうけど、まだ勝負は分からないわ。」
パピルは言いながら現地のモニターに目を向ける。
一方、フェイロを見事撃退したのも束の間、消滅する鉄格子から抜け出したユーリーは、熱閃光キラーパンサー・キャノンをいきなり麗蘭に撃ち放った。
「くっ、やってくれたわねユーリー!」
風圧の壁でそれを反らした麗蘭だが、ユーリーは既に高速移動で山岳を下山してしまった。
「あたしを見捨てようとしたお返しだっつーの!」
「くっ、抜け駆けはゆるさないわ!」
麗蘭の怒りが頂上を竜巻で包み、ユーリーと共に解放されたユーゴはまんまと竜巻に呑まれて吹っ飛ばされて行った。
「あら?そういえばもう一人誰か居たようだけど…。まぁ、気にしている暇はなさそうね。」
麗蘭も風に乗り、崖から海岸目掛けて飛んでいく。
片や竜巻に巻き込まれたユーゴは、崖下の木々に引っ掛かっていた。
「に、ニャ~、酷い話にゃ…。」
そのユーゴを倒し、ユキリナから輝石を奪い取ったソニアが冷気を纏いながら海岸を目指していた。
その後をマコルの能力によって復活したユキリナが追い掛け、更にユーリーが猛スピードで追い掛ける。
山岳の頂きから竜巻に乗って一気に山を下る麗蘭も居れば、クリストファーを倒して山岳の木々を伝って横断するハリーの姿もあった。
依然ソニアが優勢と思われた海岸前で彼女は張り巡らされたピアノ線の罠を察した。
「くっ、危ないところだった…。」
ソニアは眼前にあるピアノ線にそっと触れると空中から火薬が降り注ぎ、爆発が起きる仕掛けである事を改めて確認する。
爆撃を避けた彼女は遠距離から氷の吐息で全ての火薬を凍結させて罠を無効化させるが、木々の間から飛び出す人影の奇襲を受ける。
鋭い拳と蹴りをかわしながらもソニアは、背後に回り込まれて首を両腕で極められた。
「くっ、私をこうもあっさり捕えるとは…。」
「よく俺の罠を見破ったな…。」
ソニアをスリーパーホールドで締め上げるヒロノスケは、ソニアが恐るべき実力者である事を肌で感じ取った。
対するソニアもまだ歳も若いその青年の実力に久々の危機感を覚えたが、そのまま背後の大木にヒロノスケごと体当たりをかまし、僅かに彼の力が緩んだ隙を狙って背負い投げる。
「ガキが随分調子に乗ってくれたな…。」
「くっ、俺をガキ呼ばわりするとただじゃ済まないぜ…ロシアのスパイ女…。」
密林となった山岳の途中で格闘の構えを取る二人の若き兵士。
「雇い主から聞いていた…。銀影と呼ばれる歴戦の傭兵もこいつを狙って島に来ていると…。まさか歳下のガキとは思わなかったが…。」
懐の輝石をちらつかせながらソニアは、冷笑を浮かべる。
「フフッ、ここで罠を張っておけば山頂で輝石を手に入れた奴が真っ先に降りてくると思ったが、ドンピシャだったようだな。」
「そこまでの狙いは褒めてやる…。しかし、足止めした相手が悪かったようだな…。」
ソニアの両目が光ると共に白い虎が出現して周囲の気温を一気に下げていく。
「やはり気獣聖霊を!?」
「デッドリー・タイガーがお前の身も心も凍結させる…。」
「冷気を支配する気獣聖霊か…。ならばその冷気ごと爆破するだけだ…。」
ヒロノスケの銀影狼が周囲の粉塵を火薬化させ、発光する炸裂弾が周囲に浮かび上がる。
「先ほどの爆撃はお前の気獣聖霊によるものか…。」
「さぁ、デカ物女…お前を倒して俺が輝石を奪うぜ…。」
「フン、火薬ごとお前を氷のオブジェにするだけだ…。」
ヒロノスケとソニアが一触即発の状態となる。
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