『私の人生終業 ―戦後80年に思うこと―』
父を76歳で亡くし、自らも75歳を迎えた語り手が、
「死を前に人は何を思うのか」という問いを出発点に、
体験と歴史を重ねながら、率直に綴ったエッセイ集。
第1話では、老いと死を意識するなかで「戦争の反省とは何か」という問いを提示。
第2話では、フェイクニュースを題材に「知識と経験の差」が真実を見抜く力になることを語る。
第3話では、戦争反対の感情論に疑問を投げかけ、戦後80年を経ても成長を見せない日本社会を問い直す。
第4話では、元号や祝日の由来、神風思想、小野田元少尉の言葉を手がかりに、天皇制と国民意識の根深さに切り込む。
そこに通底するのは、
「なぜ私たちは、80年経っても――“モヤモヤ”し続けているのか!?」
という問いかけ。
体験の重みを認めつつも感情論に安住せず、
あえてモヤモヤのまま言葉にした本書は、
戦後を生き抜いた世代の証言であり、次の世代への挑戦状でもある。
――ぜひ読んでください。
「こんなおじいちゃんも、いいんじゃない?」
きっとそう思えるはずです。