第23話 第20話の補足  

 何度書いても、意が尽くせない。投稿する度に、毎回思う。何度も見直して、今度こそと思っても駄目だ。

 今回の内容は、第20話に関する補足である。弁解と捉えられても構わない。

 お前は人種差別主義者だと言う人がいた。イスラム教に対する考えも、根は人種差別があるからだとも。「移民」に対する私の考えが誤解されたらしい。

 結論から言えば、私は「移民」に反対しているのではない。「大量移民」に異を唱えているのである。その根拠は、第20話で述べたとおりなのだが、何かが不足しているようなので、反論がてら以下に書いてみる。

 1.モスクの大スピーカーから、アザーンが流れるのを実際に聴いて欲しい。イスラム教徒なら当たり前のことだが、耳慣れぬ日本人、イスラム教徒でない我々にとって、日に五回流れるアラビア語は耳障りもはなはだしいはずだ。

 このように書くと、信仰の自由をお前は認めないのか、たかだか日に五回の耳障りから宗教の自由を否定するのは、お前が差別主義者だからとも言われよう。

 確かに、信仰は自由であり、先住者だからといって、我々は彼らの自由を否定出来ない。オランダのように、寛容であるのが理想的だ。

 しかし、我々にも権利がある。先住者だからと言うのではない。人間として、平穏な生活を守る権利がある。これは理想ではなく、これまで先祖が築いてきた財産、歴史的遺産を守る義務なのだ。もしそのような自覚がなければ、日本人であることの誇りも消え失せてしまう。つまるところ、数十年もすれば、今の日本が移民により乗っとられることになる。

 2.どういう訳か、イスラム諸国からの難民や移住者が世界各地で増えている。このままだと、日本でも増えるのは間違いない。

 ここで考えて欲しい。他国からの移住者は、最初は少数である。それゆえ、自国の文化を守りながらも、一定程度は同化しようとする。その国の法律や風習を守る。しかし、移民が大量になると、既存の文化や生活様式を変えようとする。とりわけ、イスラム教を信じる人たちは、イスラム教徒の義務として、異教を信じる人を改宗させねばならないために、その傾向が強い。彼らと接してみれば分かるが、驚くほど強烈である。

 単純に考えても、移民が増えれば、現在の欧州各国やオーストラリアのように、職を失い、落ちぶれる先住者が続出する。仕事だけでなく、移住者への支出のため税金が不足し、その結果、社会福祉が疎かになり、持ち家すら手放す人が出てくる。テレビのニュースやドラマなどでホームレスを見かけるが、アメリカなどがその典型だろう。

3.そんなことから、私は大量移民には反対と考えているが、労働不足を解決するための「移民」受け入れには賛成である。しかし、受け入れ前にすべきことがあり、それが女性の権利や福祉の充実だと述べたのが第20話なのだ。政治家の怠慢を許さず、一方で、我々も過去の考えを改めることが必要と思う。

 *蛇足だが、日本政府の定義では、「移民」とは永住権を持つ外国人のことで、「移民政策」というのはないらしい。

 ここまで書いてきて、日本人学者のノーベル賞受賞を知った。しかも、「医学」に続いて「化学」までもとなると、日本人は凄いなと思う。しかも、30人目となると、日本人であることの誇らしさすら感じる。

 しかし、ふと思う。これまで受賞した日本人のほとんどが、アメリカで研究しているのだ。日本からアメリカに国籍を変えた人すらいる。となると、アメリカ人は日本人の受賞を、どう思っているのか疑問が湧く。

 もし日本に留学、研究していた韓国人がノーベル賞を取り、韓国が大騒ぎし、韓国人は優秀だと主張したら、我々日本人はどう思うだろう。ましてや研究先が東大や京大などの国立大学であれば、我々の税金で研究したおかげじゃないかと、反感を覚えるかもしれない。上手く日本を利用しやがって、というわけだ。

 そう考えると、あまり日本人が受賞した、日本人は優秀だ、日本の研究制度は優れているなど、日本、日本と大騒ぎするのは、考えものだと私は思ってしまう。

 ああ、いやだなぁ。馬鹿丸出しだ。こんなことを考えるから、お前は愛国心がない、日本人をやめてしまえと怒られるのかもしれない。今回に限らず、同じ日本人として、一人の人間として、受賞者の方々の苦労に思いを馳せ、心から尊敬しているのに……。

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