第26話 ご家族さま

「え、なんかさ!陰陽師とかって昔憧れなかった?」

厨二病ってやつか?


「あ、わかる!俺妖術とかちょっと使いたかったもん」

あ、そっか。コイツら人間だもんな。


「君たちも一応使えますよ」


「え、アレでしょ?絶対嫌なんだけどー」


「そうだよー。いくら才能があるって言われてもね」


「あの…私はそれをしてここまで来たんですけど」


「「え」」

ノリについていけない…

風邪で休んだ次の日の授業の小テストみたいなノリやめて……!


「君もやるかい?…こちょこちょ」


「いや、なんでそうなるんだ?お断りだよ」

寺の子は、至って真面目です…みたいな顔をしてこちらを見ている。


「いや…流石に俺たちも嫌だよ?」


「うん。だってこちょばいじゃん?」

訛ってるし……まあいい。次だ。


「そろそろ次いきますよ?夜が明けてしまうから。」


「それもそうですね……残念。君たち才能あるのに。」

逆にくすぐられないと出ないんだ。


「じゃあ僕の番です」




『ご家族さま』

 とんと田舎。軽トラが行き来する小道。チカチカする街灯。あぜ道。

そんな農家が集まるこの町で事件が起こる。


「か、火事だ!」


気がつけば家丸々ひとつほのおに包まれている。



___この火事により、この家に住む

50代男性

40代女性

20代男性2人

10代女性

計5名全員が遺体となって発見されました。

近くの住民によると……

火事の原因は……

警察は出火原因を詳しく調べるとともに……


 朝ごはんをかき込みながらそれとなくニュース番組を見る。

昨夜の火事がニュースになっていた。

なんせ隣人だからね…

隣人と言っても家が車で5分とかの距離。遠すぎる。


「…ェ」

「……セェ」


そうだ。このときからだ。















火をつけた殺した僕に呪いをかけ始めたのは。








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