彼女の運動

彼女はいわゆる寝たきりってやつだった。

産まれたときから心臓に穴が空いていたし、染色体異常があってとにかく貧弱そのものという身体だった。

赤ちゃんをイメージした時に感じる生きる力!未来!ぷりぷり!みたいなものがなくてどこもかしこもほやほやなんだ。

自分でお乳も飲めないからお乳と哺乳瓶の卒業も早かった。

NICUで鼻から胃まで管を通してもらって、ぼくが毎日絞った母乳と糖水とミルクをとスペシャルなバランスで注入してもらっていた。自分で飲まなくていいだけ楽ちんそうだったけど、すぐにお腹はパンパンになってハァハァいっていた。

あれはとてつもない運動だったんだな。


赤ちゃんがぐびぐびお乳を吸ったり哺乳瓶からミルクをのんだり。

普通に食事をするってとんでもなくすごいことだ。

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