第9話 おっさん、美少女ハーレムでヨガを指導する
ある日の昼下がり、誠一はいつものように女騎士シルヴィアにしごかれていた。
清潔で豪華絢爛なはずの牢屋は、もはや誠一専用のスパルタジムと化している。
「もう、勘弁してください! 俺はおっさんなんですよ! ちょっとは手加減してください! 限界なんです!」
誠一は床にへたり込み、息も絶え絶えに訴える。
全身から汗が噴き出し、高級な絨毯が湿っている。彼の目の前には、鬼のような形相のシルヴィアが仁王立ちしている。
「甘ったれるな! まだまだ、できるだろう!」
シルヴィアの鋭い声が、牢屋に響き渡る。
彼女の額にもうっすら汗がにじんでいるが、その表情は毅然としていた。誠一の過酷な筋トレは、容赦なく課されていく。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
誠一は、この地獄から逃げ出すために、あることを思いついた。
彼はずる賢い元ニートなのだ。
(よし、ここはどうにかして、しごかれるのを回避しよう! ついでに、エッチな展開に持ち込んでやる!!)
「あの、シルヴィアさんもお疲れじゃないですか? よろしければマッサージしますよ」
誠一は渾身の営業スマイルを向けた。
(マッサージ中は、さすがにしごかれることはないだろう!)
彼の魂胆はバレバレだったが、シルヴィアは乗ってあげることにした。
誠一からパンツを盗まれ続けた彼女は、いつの間にか誠一に対する好感度が限界まで上昇していたのだ。
「まあ、そうですね。少し疲れも溜まっていますし……」
シルヴィアは照れたように俯き、誠一の前に座り込んだ。
その横顔は、訓練中の厳しさとは裏腹に、どこか期待に満ちている。誠一にマッサージされるのも悪くない、と内心で考えている。
誠一は彼女の肩に手を置くと、躊躇なく揉み始めた。
彼の指が、凝り固まった肩の筋肉を的確に捉える。
「なかなか、上手いではないか貴様。そう、そこだ、んあ♡」
シルヴィアの口から、思わず艶っぽい声が漏れる。
その声に、誠一の口角がにやにやと上がる。
「ほう、ここがいいのですね。こうですかな? それそれ~~!」
誠一は内心でニヤニヤしながら、彼女の肩を揉み続ける。
そこに、眩い光と共に女神アクア・ディアーナが降臨した。
彼女は永遠の18歳、水色のミディアムショートヘアで、透明感のある肌を持つ、清楚で美しい女神だ。白を基調とした神々しいドレスを身にまとい、その姿はまさに芸術品だ。
「あら、私を差し置いて、随分と楽しそうですね」
女神は、誠一とシルヴィアの様子を面白そうに見つめている。
その視線には、どこか拗ねたような色が宿っていた。
「あっ、これは女神様!」
誠一は慌てて手を止める。
シルヴィアも、ばつが悪そうに顔を赤らめた。
女神は優雅に誠一の前に立つと、にこりと微笑んだ。
「ひとつ私も味わってみたくなりました。お願いできますか?」
「もちろんいいですよ! わたくしめのテクニックで、女神さまを絶頂に導いて差し上げます!」
誠一は役得とばかりに、女神のマッサージを請け負った。
「エッチなことをしたら、あなたの姿をカエルに変えますからね!」
女神は笑顔のまま、恐ろしい忠告をする。
その言葉には、一切の容赦がない。
「そっ、そんなことは致しませんとも! あくまで疲れを取る為のマッサージでございます!」
誠一は冷や汗をかきながらも、女神に奉仕する。
彼はマッサージしながら、あることを思いつく。
(そうだ! エッチなところを、さわらなければいいんだ! だったら……)
誠一は慎重に、そして丹念に、女神の肩や首を揉みほぐしていく。
彼女の肌は、触れるたびにひんやりと心地よい。
ちょうどそこへ、姫アリアと王妃セレニアが現れた。
彼女たちも、誠一が他の女性たちをマッサージしている様子を見て、興味津々だ。
「わたくしにもお願いしたいですわ、誠一様!」
姫アリアが目を輝かせて誠一に駆け寄る。
「ええ、私もぜひ。最近、肩こりが酷くて」
王妃セレニアも、その優雅な表情を崩さずに誠一に近づいた。
誠一は、王妃と姫にもマッサージを施した。
四人もの美女に囲まれ、マッサージ師と化している誠一は、もはや牢屋の主というより、美少女たちの専属セラピストだ。
一通りマッサージを終えてから、誠一は切り出した。
「ところで、皆さんはヨガをご存じですか? 体にいいんですよ」
(ふっふっふ……ここからが俺の真骨頂だ!)
「ヨガ? 面白そうですわね!」
姫アリアが目を輝かせた。
王妃セレニアも、その優雅な名前に興味を惹かれているようだ。
「ええ、ぜひ。私も体幹を鍛えたいと思っていましたから」
ヨガには、誠一が密かに期待しているセクシーなポーズが多数ある。
彼の脳内では、すでに妄想が爆発寸前だ。
「こ、こんな格好をするのか?」
誠一が説明するポーズを見て、シルヴィアが顔を赤らめた。
「体のかたい騎士さまには、無理ですかな? もしかして、できないんですか?」
誠一はわざと煽るように言った。
その顔は、まるで子供をからかう悪ガキのようだ。
「なっ、無理ではない! 見ていろ!」
シルヴィアは負けず嫌いな性格だった。
彼女は悔しそうに顔を歪めながらも、指定されたポーズを取ろうと奮闘する。
こうして、誠一の指導のもと、四人の女性はヨガを始めた。
最初はぎこちなかった動きも、次第に柔らかくなっていく。誠一は、彼女たちに様々なポーズを取らせていく。
女性陣も、誠一のことを密かに好きになっているので、恥ずかしさはあるけれど、指定されたポーズをとっていく。
柔軟な姫や王妃は優雅に、女神は完璧に、そしてシルヴィアは必死に体をねじ曲げる。
そして、女性四人が誠一に向けて、尻を高く上げるポーズをとった。
誠一はその光景を、じっくりと眺める。
彼はこの世の頂点に立った気がした。
得意げな顔は、この上ない恍惚に満たされている。
「ふはははっ! この世のすべては俺様のものだ!!」
誠一のあまりの図々しさに、女性陣は顔を見合わせた。
このままではいけない、と彼女たちは考えた。
誠一は調子に乗りすぎたのだ。
「誠一さん、あなたにもマッサージをしてあげます」
そう言うと、女神さまは誠一を床に寝かせ、その顔を優雅な足でスッと撫でる。
女神の足の裏は、ひんやりとして撫でられると気持ちがよかった。
その刺激に、誠一はいけない喜びを見出す。
しかし、それだけでは終わらない。
女神は容赦なく、足に体重を乗せていった。
「いっ、いだっ、いだだだっ!!」
誠一の悲鳴が牢屋に響き渡る。
「前にあなた、私の足をなめて綺麗にすると言っていましたね。やって貰いましょうか?」
女神は冷たい視線で誠一を見下ろす。
「は、はいっ、よろこんでっ!」
誠一はノリのいい男だ。
この場面では、そう言うしかなかった。
彼は屈辱に顔を歪めながら、女神さまの足をなめた。
土下座にも似た格好で、誠一は彼女の素足に顔を押し付ける。
それを見た他の女性陣も、ここぞとばかりに素足で誠一のことを蹂躙した。
姫の足は可愛らしく、誠一の顔に足を乗せる。
「誠一さま、気持ちいいですか?」
「は、はいっ!」
セレニア王妃とシルヴィアも、アリア姫に続く――
王妃の足はしなやかで上品、女騎士の足は筋肉質で力強い。それぞれの足が、誠一の胸や腹を容赦なく踏みつける。
「まあ、誠一さんったら……」
「貴様、これで元気になるとは……」
「うっ、うごごっ……」
誠一は屈辱にまみれる。
四人もの美少女たちからなすすべもなく、このような恥辱を受けるとは……。
けれど誠一は、屈辱と同時に、得体のしれない快楽も感じていた。
彼の頬は微かに紅潮し、目はうつろだ。
(これもヒモ生活の醍醐味、なのか……? えっ、まって、ひょっとして俺、喜んでる?? まさか、俺ってMだったのか!? いや、そんな……)
彼の異世界ヒモ生活は、ますますカオスな、そしてある意味では充実した方向へと進んでいくのだった。
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