第8話 「なんとかなる」の信念

 基本的に人生のほとんどは、「なんとかなる」ものだと信じています。

 具体的な根拠や理由はありませんが、人生は自分の信念によって創造されることを体験的に確信しているので、「なんとかなる」と信じることで、けっこうなんとなっています。

 実際の話、自分の持てる力ではどうにもならなくなったとき、人は神頼みをしがちです。運を天に任せるとも言いますが、この世ならざるものにその後を託してしまう傾向があるように思います。

 ぼくはそれをすこし前倒しにしてもらっているような感じで、とくに大きな問題ではなくても、あるいはとても些細な問題でも、「なんとかなる」という確信をもって、その後を天に任せています。天と言っても結局は各種法則によるものですが。

 日常的に「なんとかなる」をいう意識を持っていると、やはり普段から「なんとかなる」ようになります。そうなるとここいちばん、自分には背負いきれないかもしれない、というレベルの問題も、多少のごちゃつきがあったとしても最後にはなんとかなっています。


 「なんとかなる」という信念は、死を覚悟しているからこそできることかもしれません。いつ死んでもいい、その覚悟があるので、ここから先の未来のことは知ったことではない、と良い意味であきらめができています。

 だからといって、不幸になりたいわけではありません。ぼくの場合、土台の思考がけっこう出来上がってしまっているので、ここから先の未来はおおよそ望んだとおりの展開になるだろうと考えています。未来についてはやはり知ったことではないですが、悪くはなることはない、その前提があるからこそ「なんとかなる」で済ませられるのだと思います。

 思考から恐れを追放できれば、そのすき間に愛や希望が入り込みます。それらがタネとなり、「今・ここ」直後からの未来を創造していくことができます。

 思考の中がポジティブなもので埋まれば、ポジティブな未来しか体験できません。なんとかなるのは、幸せな体験しかないんです。

 本当に、本当に、本気で死を覚悟できたなら、それはこれからの人生において、何でもできる、ということになります。もちろん得手不得手はあるにしても、自分の好きなことは、好きの気持ちのまま前進していくことができます。

 世界で成功を収めているような人たちは、スピリチュアルとは関係なく、この行動力を持っています。

 好きだからこそ止められないし、やめられない。ただただ前進するしか方法がないのですから、これから先のことは「なんとかなる」と考えるしかありません。

 これはスピリチュアルというよりも、「『生きる』の哲学」ということになるかもしれません。なんとかなります、きっと。

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