第51話 再出発(最終話)
「行ってきます。今日も早く帰れるからね。」
「いってらっしゃい。」
晃輝は、環境緑地課は変わらないが、上司に相談して、プレジェクトの主要部分だけを担当することにしてもらった。
全てを把握し、立ち会うことをやめた。同僚や後輩に任せ、アイデアも生かせるようにした。そもそも一人で何もかも背負おうとしたのが間違っていた。
碧は、近くのテニススクールのコーチになった。日中だけの主にミセスを相手のクラスを担当した。元日本リーガーから教えてもらえると評判を呼び、担当クラスは満員の盛況だった。
年長になった乃亜と星怜奈もずいぶんと成長した。2人で子育てをして休みの日にでかけたり、遊んだりしたことで、乃亜も自分の気持ちを表にだして活発な面も出て、男の子の友達もできた。
星怜奈は、晃輝が話を聞いたり、一緒に体を動かしたりしてエネルギーを発散することができているのか、園では落ち着いて、トラブルも減ったようだ。
休みの日には、碧がコーチをしているテニスクラブで、2人でテニスをしたり、メンバーとゲームを楽しんだりするようになった。2人の子どもは、他のメンバーさんが相手をしてくれていた。
「ねえ、碧。」
「何?」
「提案があるんだけど。4月から1年生だろ。2人にテニスを始めさせないか?」
「うん。私もそう思っていた。ただし、条件があるわ。」
「何?」
「私がコーチだからって、私に丸投げはなしよ。あなたも積極的にコーチとして関わること。だからもっと練習すること。ずいぶん現役時代から腕が落ちてるわよ。」
「言ったな。君はコーチになって、すっかり取り戻してるからって偉そうだなぁ。」
2人は笑い合った。
「分ったよ。約束する。」
晃輝は、碧を抱きしめた。
【完】
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今話で、最終話となります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
数年後の2人と家族を描いたエピローグにて
完結いたします。
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