あの日のままの風が吹く
おたべ〜
あの日のままの風が吹く
駅前の 喧騒の中 ひとりきり
君を待ってた 十五の夕暮れ
交わしたね 約束ひとつ 紙飛行機
風にまかせて どこまで行った?
制服の ポケットの中 小さな恋
伝えられずに 洗濯された
体育館 鳴り響く靴 声と声
「またね」が遠く 反響してた
夏祭り 線香花火が 落ちるまで
となりにいたね 何も言わずに
手紙には 「忘れないで」と 君の文字
でも忘れたよ 読み返せずに
卒業の 写真の端に 君がいて
笑っていたの ぼくを見ずに
夢のなか 君と歩いた あぜ道は
麦の匂いと 蝉の記憶と
大人びた 声で話す君 知らなくて
「あのころの君」しか ぼくは知らない
ふと風が 君の名を呼ぶ 午後三時
忘れたはずの 涙がこぼれた
あの日のままの風が吹く おたべ〜 @oniku-suki2
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