第2作 三題噺 「胸」「図」「実力」

第1作 三題噺「梅酒」「距離」「種族」

からの続きです。



 呂律ろれつは申請書の氏名欄に呂律ろれつりくと、きちんと書き直し蓮戸れんとに手渡した。


 蓮戸は、申請書を確認しながら、呂律の胸にキラリと光るものを見つけた。


「あの、呂律さん、胸に光る物があるみたいですが、換金性が高いものではないですよね?」


「これは……」


「金のネックレス?」


「……」


「図星ですか?」


 蓮戸は図入りの生活保護申請者用のパンフレットを提示して説明した。


 保護を受ける前に、生活必需品以外の換金性が高い物は売却していただく必要があります。それが金のネックレスであれば、生活には必要ありませんし、現在価格が高騰していますんで、ネックレスだけでも相当な価値があると思われます。


「これは、俺のだぁ! 売るって言うなら実力行使してみろよ!」


「逆ギレですか?」

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