第13話 深まる絆と未来への予感-1

大学三年目の秋は、就職活動の足音がすぐそこまで迫っていることを告げていた。周りの友人たちは、インターンシップの選考に一喜一憂し、企業説明会のパンフレットがカフェのテーブルを埋め尽くす。私、佐倉葵も、キャリアセンターのガイダンスに参加し、自己分析や企業研究に時間を割くようになった。情報工学という専門分野は、学ぶほどに面白さを増したが、それをどのように社会で活かすのか、具体的なビジョンを描くのは難しかった。


説明会に足を運んでは、面接で言葉に詰まり、届く不採用通知に心はすり減っていく。周りの友人たちが次々と内定を勝ち取っていく中で、焦燥感とプレッシャーは日増しに重くなった。時には、夜中に目が覚めて、このまま就職先が見つからなかったらどうしよう、と漠然とした不安に襲われることもあった。専門の勉強と就職活動の両立は想像以上に難しく、私は精神的にも肉体的にも疲弊していった。


そんなストレスフルな日々の中で、悠斗くんとの現実の交際は、私にとって何よりも大きな支えとなっていた。彼もまた、同じ情報工学科で、私と同じように就職活動の波にもまれていた。


「今日さ、面接でとんでもないこと聞かれたんだよ」

学食でランチを共にしながら、悠斗くんが疲れた顔で愚痴をこぼす。私もそれに同意して、面接官の鋭い質問や、グループディスカッションの難しさを語った。彼のアドバイスは的確で、何よりも、同じ苦しみを共有しているという事実が、私をどれほど安心させたことだろう。


忙しい日々の中でも、私たちは二人で会う時間を大切にした。カフェでコーヒーを飲みながら、互いの就職活動の進捗を報告し合う。互いに話を聞き、励まし合う。手を繋ぎ、肩を並べてキャンパスの道を歩くだけでも、心が休まるのを感じた。彼のがっしりとした手の温もりは、私の冷え切った心をじんわりと温め、どんな不安も溶かしてくれるようだった。彼が隣にいてくれるだけで、私はどんな困難も乗り越えられる気がした。現実での二人の絆は、就職活動という試練を通して、さらに深く、揺るぎないものへと進化していった。


夜になると、夢の中の悠斗くんが、現実のストレスや不安を忘れさせてくれる、究極の癒しとなっていた。疲労困憊で眠りにつく私の意識は、抗いがたい力に誘われるように、悠斗くんとの甘美な世界へと深く誘われる。夢の中の悠斗くんは、現実の私を優しく包み込み、心の奥底に染み渡るような安らぎを与えてくれる。


夢の中での悠斗くんと私の関係は、もはや現実の制約とは無縁だった。物理的な限界もないことから、何度となく繰り返され、肉体的結びつきは**「いつ子供ができてもおかしくない関係」にまで深化していく様子を暗示的に描いていく**。より深い一体感や官能を求めあう深化、言葉を超えたコミュニケーション、互いの身体の探求、絶頂と虚脱、そして再び相手を求めるサイクルの繰り返しとして、夢は私をどこまでも深く彼へと引き込んだ。


彼の唇が、硬く盛り上がった乳首を優しく含んだ時、私の体は大きく跳ね、喉から甘い呻きが漏れた。吸い上げられるような刺激が、体の奥底から波のような快感を呼び起こす。その度に、乳房の揺れ、心臓の脈動、肌の熱、汗の感触、吐息の混じり合いなど、身体に生じる物理的な変化に伴う感覚を詳細に感じ取ることができた。行為そのものだけでなく、それに伴う内面の葛藤、彼への秘めたる願望、感情の機微、高揚、一体感といった精神的な深まりを重視して描写される夢は、現実での私の心をさらに複雑にした。それは、現実の疲れを忘れさせる、唯一の甘美な現実だった。


彼の掌が臀部の豊かな丸みを包み込むと、そこは吸い付くような柔らかさと確かな弾力で彼の手応えを返した。悠斗くんの腰がゆっくりと、しかし確実に奥深くへと動き始めるたび、私の内側は甘く、粘り気のある潤いで満たされ、吸い付くように彼のものを包み込んだ。その摩擦と密着感が、私の思考を奪い去り、ただ快感に溺れさせていくようだった。


性行為で絶頂に達した後の「一体感」と、それに続く漠然とした「寂しさ」の感覚を、夢の中で私は繰り返し経験した。その寂しさを打ち消すように、私は再び彼を求めた。この反復が単調にならないよう、愛撫やキスのバリエーションは尽きることがなく、回数を重ねるごとに肉体的・精神的な結びつきがより深く、密接になっていく過程が描かれた。夢の中の彼は、いつも私の精神的な疲労を癒す、かけがえのない存在だった。


朝、目覚めると、枕は汗でじっとりと湿っていた。肌にはじんわりと汗が滲み出し、ショーツの股間には、甘い蜜が溢れ出したかのように濡れた痕跡が確かに残っていた。そして、心臓は激しく脈打ち、動悸がしばらく収まらない。夢の中の記憶は、私の中で葉山悠斗という存在を、もはや現実の友人という枠には収まりきらない、かけがえのないものへと変えていた。夢のリアリティと現実の乖離に戸惑いながらも、夢の中での彼の優しさ、彼の情熱、そして彼との間に生まれた深い絆は、現実の私を支え、未来への期待を膨らませる、秘密の原動力となっていた。

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