とある田舎の とある集落であった本当に怖い話

於とも

第1話 まむしが、すぐそこに~

とある県とある郡とある町の、限界集落ちっくな、昔ながらの農家の庭にて。


「見て見て!大きいの、捕まえた!」

そこには、60代になったばかりの義母が、黒い一升瓶を片手に、意気揚々と立っていた。


私に、差し出して、一升瓶を見せる、義母。

黒い瓶の中には、何やら蠢くモノが……。

それは、どう見ても、ヘビ。

私が、この世で、最も苦手とする、へび。


「これ、ヘビですか?」

「いいや。まむし!」

「ええええ。どこにいたんですか!」

「下の畑の、あの石の脇。」

そう言って、義母は、石垣の下に目をやって、ある石を指差した。

その石は、さっきまで、私が、腰かけて、近くの草を抜いていた場所!

「石のうしろから、ニョロって尾が出とったから、こりゃいるな、って思って、

火ばさみもって、瓶持って、捕まえてきたんよ!」

そう言って、義母はとても嬉しそうに笑った。

『ひいいいいいい』(私の心の声)

「焼酎につけて、まむし酒作るから、出来たら、分けてあげようか?」

「いりません!!」(即答!)

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