椅子の考察

早朝に布団のたたむ音がしたので気が付いた。身支度をしていたのでおそらくどこかに行くのだろう。前みたく心は踊っていなくどこか落ち着いた雰囲気で淡々とこなしていた。

「傘さんよろしくお願いしますね。」

そう出かけるときにそう伝えた。傘もなんとなくわかっているらしい。

「行ってきます。」

その声はどこか遠くに言っているようだった。

部屋で一人になってしまったのでつい考え事をしてしまう。なんであんなことを澄人さんがしていたのか。状況を考えるに一番は奏那の事を考えているのだろう。わざわざ過去の人の話をする人はいないし、楽しい雰囲気を少なからずとも壊すことになってしまう。なら自分の記憶の棚に押し入れて出さないようにしたのが答えだろうと思った。私は澄人さんではないので確かな事は知らないが座った感じはそういう感じに思えた。運が悪いのか会ってしまって奏那は複雑な気持ちを持ってしまったのだろう。事情を知っているから私たちは何となくそう考えることができるがそうではない。見え方としては唐突に忙しいとそう言われてほかの人に合っているとなるだろう。必然的に疑いや悲しみが出て夜に起きるまでに考えてしまうのだろう。お互いの優しさが運悪く起こしてしまったと私は考えて帰りを待つのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る