濡れている理由

最近は部屋に帰ってくるとスマホを取り出している頻度が増えたような気がした。悲しそうに画面を見つめている。今日も雨が降っていたらしく少しだけ濡れていた。

「どうしましたか。また雨の中歩いていた時間があったんですか。」

そう傘に訪ねた。ここ最近元気がないのが心配になって来た。まあ無くなるのは自然の事だろう。

「いいや。仕事は出来ていた。でも連絡音が鳴った瞬間にふわっとして地面に落ちたんだ。まあ無理もないか。内容が気になっているんだろう。」

なんとなくだが察しはついた。連絡先はおそらく澄人さんだろう。おそらくだが聞く勇気と見てなかったことにすることで波風が立たないようにしたいのがぶつかっているのだろうな。

「椅子さんよ。おそらくどっちに転んでも多分また土砂降りが来ると思うからそん時は頼んだ。俺じゃどうにもしてあげられないと思うんだ。」

傘と話している合間に連絡を取り合っていたらしい。けれどもある時からスマホの画面を机に置いた。おそらくだがまだ気持ちの整理がついていないのだろう。いつの間にかに私に座った状態で寝落ちをしていた。

「急がなくていいからゆっくりでもいいから後悔しないような答えを出すんだよ。今は休んだほうが良いと思うよ。」

そう言って私は椅子の仕事をしていた。

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