支度

気が付くと私に座っていた。朝早くから支度をしている。仕事に行くのとは違って、なんだか楽しそうな感じだった。

「あと一時間ぐらいで出ないと電車遅れる。どうしよう着ていく服も決まってないのに。」

慌ただしい朝となっているようだ。大丈夫だと聞こえない声で言ってあげた。すると連絡音が鳴った。

「何。忙しいんだけど。…ゆっくり出来るからいいか。」

なんだか忙しい空間から休日ののんびりとした空間に変わっていた。おそらく予定の変更なのだろうか。テレビを見て朝食を食べているぐらいにはゆとりがある時間を過ごしていた。テレビの情報を聞くと真夏日らしいので傘を忘れると大変な事になるだろう。三十分が過ぎたころ行く準備ができたので傘の入ったバッグを持って出かけて行った。

「行ってきます。」

静かになる空間に言葉を残して。時間はたくさんあるのだから考察をしていた。いったいどんな用事でどんな人と会うのだろうか。昨日から楽しみにしているということだから、相当仲が良いのだろう。時間に余裕をもって出かけているのだからそれほど楽しみなんだろうと分かった。傘に聞けば答えが分かるので色々と考えて答え合わせを楽しみにして帰宅を待っていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る