第8話笑顔の理由
彼に振られて、そして彼女にアイデアコンテストで負けて…。私はボロボロだった。
「頑張る人が好き。」
彼の愛の言葉が私に重くのしかかる。ずっと頑張って来た。認めてもらえるように。付き合っている時は勿論、振られてからもまたやり直せるかもと10カ月間頑張って来た。でも、もう無理。負けるのは、逃げるのは悔しい、でももう頑張れない。戦えない。こんな私の事など2人は何も考えて居ないだろう…。彼女が笑って居るだけで私は苦しくなる。彼女の辛く苦しんだ顔が見たい。顔を歪ませ涙する姿を見たい。
悔しさ、愛され続けてもらえない虚しさ、私の全部を彼に否定されても私は笑顔でいる。それが彼への復讐になるような気がするから。私が笑っていれば彼女はもしかしたら悔しがるかもしれない。何か良いことでもあったのか?と勘ぐってくるかもしれない。彼にも優しくイヤミを言い悪気が無い振りをする。少しの歪みを少しずつ2人に与える。彼の上司にもそれとなく彼の仕事への横着な態度を話して彼への監視をしてもらう。私が傷付いた分2人にも傷付いて貰わないと。少しずつ真綿で首を絞めるように2人が苦しめば良い。
周りの人の彼への不満を上司と面談して話すよう促す。それを聞いた上司が彼に注意、指導する。彼は精神的に追い詰められるはず…。1人の声では無く3人、4人と不満の声を集める。小さな不満も大事のように取り扱い一人ひとりに〝それは、彼が悪いよね。〟と植え付ける。少しずつ会社内の空気を操る。誰にも気付かれずに私は笑顔で復讐を続ける。彼が弱って落ち込む姿を見たい。私といる時は幸せだったと思い出してもらいたい。彼にまた愛してもらいたい。〝もしかして〟に備えて私は今日も笑顔でいる。
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