【改稿版】孫よ、ダンジョン配信しないか?~現代最強の神殺しはダンジョンでも無双する~

あくはに

第0話 孫よ、ダンジョン配信しないか?

 鍛錬も終わり、自室で趣味を満喫していると急にガチャッと防音室のドアが開きじいちゃんが入って来た。


「孫よ、ダンジョン配信しないか?」


 開口一番、そんなことを言いやがってきたが、元々配信には興味があったのでノータイムで承諾する。


「いいよ」

「やっぱりダメに......って、いいのかッ!?」

「うん」


 配信か〜。

 配信となると、流石に家業の枠を超えるからライセンス未所持のままではダメだな。


「ちょ、ちょっと待て。最近の若者の間では陰の実力者ムーヴが流行っているんじゃないのか!?」

「いや、そんな情報どっから仕入れてんだよ......」

「そりゃもちろん、ラノベに決まっておる!」

「草」


 ウチのじいちゃん、若過ぎだろ。


「てか、なんで急に配信なんだよ?」


 俺こと夜月やづき 刀命とうめいがそう問い掛けると、じいちゃんはフッと影のある笑みを浮かべながら、右手で顔の半分を覆いだした。


「......面白そうだから」

「じいちゃん......後期高齢者がそのノリでカッコつけてもイタイだけだぞ......」

「え、優陽ゆうひはカッコイイって褒めてくれたぞ?」

「お世辞お世辞」


 全く、じいちゃんを褒めたら調子乗って面倒臭くなるから、あんま褒めんなって言ったのに。


「しかもそれ、完全に優陽のパクリじゃねぇか。カッコつけるなら、せめてオリジナルでやれよ」

「孫が辛辣過ぎてワシ、泣きそう......」


 じいちゃんを放置して、PCでチャンネルを制作し、動画編集者の方、イラストレーターの方、配信機材等々を見繕っていく。


「あ、土御門さんのところに配信やるって伝えてんの?」

「ん、あぁ。ほれ、ちゃんと伝えておるぞ」


 そう言ってじいちゃんが取り出したのは、初めて見る色、深紅の潜魔士ダイバーライセンスだった。


「ん?SS級......?」


 はて?


 潜魔士の最高位はS級だったと記憶してたんだけどな......知らない間に更新されてたのか?


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


Side:???


 あたしが説明しようっ!潜魔士とは。


 超ざっくりとした説明は、ラノベによく出てくる冒険者的なものであり、等級はF~S級のの七段階存在していて、水に潜る潜水士を文字って、ダンジョンに潜る人達のことを潜魔士と呼んでいる。


 以上ッ!!


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


 なんてことを考えていると、じいちゃんが口を開く。


「あぁ、土御門の鼻たれ坊主が新設したと言っておったぞ」

嶺明れいめいさんが?」


 ライセンスと一緒に渡されたふみを開き、中を確認する。


******


 刀命君へ


  厳水殿から話は聞いたよ。配信を―――


******


 内容を要約すると、前々から夜月家の人が潜魔士ライセンスを必要とした時のために、SS級新設の準備をしていたとのこと。

 それにしても、よくその話を通せたなぁ。と素直に驚きながら、最後の方に目を通す。


******


 追伸


  ちなみに、等級新設に関しては英国の騎士   

 王殿にも協力をして貰ったよ。

  それと、彼から伝言を預かっているよ。


 『近々、JAPANに行くから楽しみにしていて

 くれ。あと、会わせたい人がいるからよろし

 く』


  だそうだよ。


******


「あーね」


 レヴァンさんの協力があったんなら、そりゃ簡単にいきますわ。


 そんなことより、久々にレヴァンさんに会えるのは嬉しいな。また、エクスカリバーが見れるぜっ!

 後で、優陽にも連絡しておこう。


「あ!」

「む、どうした?」


 話は陰の実力者ムーヴに戻るが、そっちの方が正解な気がしてきたぞ。

 だって―――――


「じいちゃん、正体不明のSS級潜魔士の方がオモロいよなぁ?(ニチャア)」

「......(ニチャア)」


 ............。


「「......フッ(ニチャア)」」


 という訳で、配信のブランディングが決まった。


 その後、じいちゃんと色々と話を詰めていき、潜魔士協会とのやり取りはじいちゃんが、それ以外の配信関係は俺が担当することになった。


 さて、それじゃあ自然な形で売名でもしに行きますか。

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