第28話 VS四神 前編

燐「よし!じゃあやるか!」

そう言った瞬間、燐さんから周りを燃やすようなオーラが出る。

誠一郎「なっ!(なんだよこれ。今までのヤツらとは格が違いすぎる。)」

隼司「えっぐいね。(これは油断してるとすぐ死ぬな。)」

そのオーラを感じたと同時、誠一郎くんが能力を発動し、羽を生やし、腕はライオンのようになった。

燐「まずは小手調べだ。これを避けてみな。」

そう言って燐さんは火球を何発も放ってきた。

誠一郎「よっ、ほっ(ギリギリだけど見える)」

隼司「あっぶねぇ!」

しかし2人はその攻撃を躱しながら燐さんへ詰める。

誠一郎「ここで攻める!」

誠一郎くんが突っ込んで行った時、

燐「遅いよ。」

突如、誠一郎くんの足元から炎の柱が出てくる。

誠一郎「ぐあぁぁ!」

誠一郎くんが炎に包まれる。

誠一郎「(なんだよこれ。威力高いとかのレベルじゃねえぞ。)」

誠一郎くんは何とかそこから脱出し、羽で風を起こして火を消した。

誠一郎「イッテテテ(容赦ねえがあれも本気じゃねぇんだろうな。)」

隼司「今度は俺の番だ!」

次の瞬間、隼司くんが凄まじい踏み込みを見せる。

燐「青いねぇ。それじゃ当たらないよ。」

しかし燐さんは隼司くんへ1つの火球を放った。

隼司「こんなのに当たるかよ!」

隼司くんはそれを躱し突っ込もうとした時、

隼司「(なんだ。違和感が)」

燐「気づいても遅いよ。」

それが地面に着いた瞬間、凄まじい爆発が起きた。

隼司「ぐぅぅぅ!」

隼司くんは爆風に襲われ、そのまま地面に叩きつけられた。

隼司「...おいおい、まじかよ。」

その威力は凄まじく、地面が少しえぐれていた。

水葉「おーい、この後も稽古あるんだから程々にねー。」

燐「わかったよー。さて、もう終わりか?」

誠一郎「んなわけないでしょ。」

誠一郎くんがエネルギー弾を放つ。

燐「無駄だな。」

燐さんもエネルギー弾で応戦する。互いのエネルギー弾がぶつかり、相殺すると思ったが、燐さんのエネルギー弾はそのまま誠一郎くんへ向かっていった。

誠一郎「嘘だろ!?」

誠一郎くんは何とかその攻撃を躱してみせる。しかし、近距離は近づけず、遠距離は歯が立たない。まさに打つ手なしである。

誠一郎「はぁはぁ(強えな。このままだと死ぬかもしれない。なら、この人を信じて!)」

すると、誠一郎くんが立ち上がった。

誠一郎「どうなっても知らねぇぞ!本能解放!」

そう言うと、誠一郎くんの体が変形する。全身を同じ動物に統一して。

咲「あれって。(全身がライオンに統一されてる。)」

碧「確かあれをすると、暴走する代わりに今までの比にならないくらいの力を発揮するって。」

燐「ちょっとは良くなったかな。」

誠一郎「ぐぅぅぅぅぅ、がぁ!」

その瞬間、誠一郎が真正面から突っ込んで行った。その速度は、さっきまでとは比べ物にならない。

燐「どんだけ速くても、所詮は獣かな。」

燐さんは再び誠一郎へ火球を放った。

誠一郎「がぁ!」

しかし、誠一郎くんはその攻撃を躱し続けた。

燐「へぇ。(さっきより余裕がある。野生の勘ってやつかな。)」

誠一郎「がぁ!」

誠一郎くんが爪で攻撃を仕掛ける。

燐「いいね!近接戦もやろうか!」

しかし、燐さんはその攻撃を躱し拳に炎を纏わせた。そして、誠一郎くんへパンチを放った。

燐「ほいっと。」

誠一郎「ぐがぁぁぁ!」

そのパンチは誠一郎くんの腹に直撃した。

誠一郎「がぁぁぁ。」

誠一郎くんは激しく吹き飛ぶが、何とか着地する。

隼司「おお、やべえな。」

湊「(今のパンチ、軽く打っただけなのにあの威力。これが四神!)」

誠一郎「ガルルルル。ぐがぁぁ!」

誠一郎くんの姿がまた変化する。今度はゴリラの様な姿になった。

誠一郎「がぁぁぁ!」

誠一郎くんが再び突っ込む。

隼司「よし、だいぶ回復したし俺も行くぞ!」

そう言って隼司くんも凄まじい速度で突っ込む。

咲「(前より速くなってる。)」

燐「気合いは十分だけど、まだ足りないねぇ!」

そう言って燐さんは迎え撃つ体制に入った。

誠一郎「がぁ!」

隼司「おらぁ!」

2人が渾身の攻撃を仕掛ける。しかし、

燐「まぁまぁかな。」

その攻撃はいとも簡単に止められてしまった。

燐「そろそろ終わらせようか。」

燐さんがそう言うと、2人を炎の柱が囲った。

誠一郎「がぁぁぁ!」

隼司「ぐわぁぁぁぁ!」

2人が炎にのまれる。炎が消えたあと、2人は前向きに倒れていた。

水葉「そこまで。2人ともお疲れ様。」

燐「まぁあんだけ言ったけど、学生としては十分過ぎるくらいの力はあるね。」

そういうと、燐さんは2人を担いで雫の元へ連れてきた。

燐「雫ちゃん。回復お願いね。」

雫「は、はい。」

水葉「じゃあ次行ってみよー!」


次は碧と穂乃香さんのペアと水葉さんの番だ。

水葉「準備できたら来なよー。」

碧「なら遠慮なく行きます!憑依、アクロバティックさらさら。」

穂乃香「暗殺者、解放出力50%」

2人は能力を発動させて、水葉さんへ向かう。

碧「(さっきのを見てわかった。四神には単純な攻撃なんて絶対通じない。)」

水葉「いくよ!」

水葉さんが2人に向けていくつもの水の矢を放った。

穂乃香「はっ!(今の私なら躱せる!)」

碧「よっと!(早いけど大丈夫!)」

水葉「いいね。」

次の瞬間、ナイフでの突きと、渾身の蹴りが水葉さんへ迫る。

水葉「私は燐みたいな攻撃力はないけど、その分防御力が優れてるよ!」

次の瞬間、2人の攻撃がシールドで防がれた。

碧「まじ?(今、めっちゃ引き付けてシールド展開してた。どんだけ早く展開できるのよ。)」

穂乃香「(なるほど、このままでは速度が足りないようですね。)」

水葉「ほら、攻撃が防がれたら防御だよ。」

そう言って水葉さんが水の玉を放った。

碧「ぐっ!(早い!見えない。)」

穂乃香「くっ(まるで弾丸ですね。)」

2人は1度距離をとった。

水葉「どんなもんよ!」

碧「流石四神ですね。だからこそ挑戦のしがいがある」

穂乃香「自身の身を大事にしていては勝てませんね。危ないですが、解放出力をあげます!」

碧「憑依、かまいたち!」

穂乃香「暗殺者、解放出力80%」

碧が憑依する妖怪を変え、穂乃香さんが出力をあげた。

水葉「いいよ。色んなことを試しな。」

碧「行くよ!」

穂乃香「はい!」

2人が再び突っ込む。

水葉「何度も同じ手が通用する訳じゃないよ!」

穂乃香「そんなことはわかっています。」

そう言って穂乃香が凄まじい早撃ちを見せた。

水葉「(なかなかの速さだね。でも)」

その弾丸は水葉さんの顔の前で止まった。

穂乃香「な!?」

水葉「シールドを展開しながら攻撃だってできるよ!」

そう言って再び水の矢が放たれた。

穂乃香「くっ!(さっきよりもギリギリですね。解放出力あげてこれとは。)」

碧「私もいるよ!」

そう言って碧が水葉さんへ切りかかる。

水葉「知ってるよ。」

しかし、その一撃はシールドで防がれてしまう。

碧「なら何度も切り刻むだけよ!」

次の瞬間、碧が凄まじい速さで切りかかる。

水葉「そのパワーじゃ壊れないよ!」

しかし、そんな時間を与えてくれるはずもなく、水葉さんが水の斬撃を飛ばした。

水葉「ほいっと。」

碧「くっ!」

碧はその斬撃を躱す。穂乃香も攻めようとするが、水の矢の量があまりに多く攻めきれずにいた。

碧「(なら、もう一か八かね。誠一郎くんもやってたんだし、私だって!)」

穂乃香「(どうやら碧さん、何か無茶をする気ですね。でも、そうでもしないと勝てそうにもないですね。)」

碧「もうどうにでもなれ!憑依、ぬらりひょん!」

穂乃香「暗殺者、解放出力100%!」

次の瞬間、2人から出てくるオーラが変わる。

水葉「へぇ。(ギアをあげるか。)」

雫「ぬらりひょんって、まだ憑依するには早いです!そんなことしたら碧さんにとんでもない負荷が!」

煙が晴れ、碧の姿が見え始める。髪は長くなり、和服になっていて、謎の杖を持っていた。

碧「ぐっ、がっ(この感じ、1回攻撃したら気を失うな。)」

それは穂乃香も同じだった。

穂乃香「うっ(もう、魔力が。次で決めなくては。)」

水葉「さあ、来なよ!」

水葉さんからのオーラが少し増す。

穂乃香「うぉぉぉ!」

次の瞬間、穂乃香が突っ込む。

碧「これが、ぬらりひょんの力!大妖乱舞!」

碧がそういうと、周りに今まで解放した妖怪が出てくる。その妖怪達が一斉に突撃しに行く。

水葉「(これが2人の全力か。)」

次の瞬間、凄まじい衝突で辺りに煙が舞う。

咲「すごい風圧だ。」

知鶴「どんなことしたらこんなに強い風圧が来るのよ。」

少しずつ煙が晴れていく。するとそこには倒れている2人の姿があった。

咲「碧!」

知鶴「穂乃香!」

水葉「大丈夫、2人とも気を失っただけだよ。」

そう言って水葉さんが2人を水の球体で包む。

水葉「穂乃香ちゃんの方はパワーもスピードも上がってた。なかなかだったけどまだ足りないかな。碧ちゃんの方はわかんないな。あの後、結局すぐ倒れちゃって、その瞬間妖怪達も消えちゃったから。」

雫「すぐ回復させます!」

源「うぉぉ。(これが四神の力、圧倒的過ぎる。)」

水葉「じゃあ次行ってみよー!」

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