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その日の放課後。あたしは技術準備室の前にいた。もちろん、礼子ちゃんを待つためである。
「――来たわよ」
礼子ちゃんは、あたしが来てから2分ぐらい遅れて技術準備室の前に来た。
「じゃあ、中に入るわよ。遥斗くんに言うこと、分かってるよね?」
あたしが確認を取ると、礼子ちゃんは当然のように「分かってるわよ」と言った。
技術準備室は相変わらずおんぼろで、中は実技で使うための道具が散乱している。とはいえ、オカルト同好会の部室(?)は清掃が行き届いている。――当然だろうか。
「志穂里、礼子、2人してどうしたんだ? 確かに一連の疑惑ですべての部活が休部状態になっていて、辛うじて僕のような非公認の部活は活動を続けているとはいえ」
遥斗くんは、ポッキーをかじりながらそう言った。――そういえば、そろそろ11月11日だっけ。
いや、そんなことを考えている場合じゃない。あたしは今朝見かけた例の記者のことを話した。
「実は、遥斗くんに話したいことがあって……。今朝、『週刊聴衆』っていうゴシップ雑誌の記者がウチの学校に来たらしくてさ、なんか学園長に根掘り葉掘り聞いてたのよね。記者の名前は寺田って名乗ってたわ。――それで、あたしは寺田っていう記者から情報を聞き出して、今回の事件を解決させようと思ってるんだけど……」
しかし、遥斗くんはあたしの提案に対して懐疑的な表情を示していた。
「そうは言うが、僕はその考えに反対だ。週刊聴衆が何を考えているかは分からないが、仮にこの学校のの評判を落とすことが目的だったら、それこそ本末転倒だろう? 僕はその考えに乗らないよ」
「やっぱり、そうなるよね……。まあ、別の手立ても考えてみるけどさ」
「別の手立て? それって、どんな手立てなんだ?」
あたしは、鼻を鳴らしながら遥斗くんに言う。
「2年C組の生徒に事情を説明して、『サバト』を調査してもらうのよ」
当然、遥斗くんは……目を見開いて言う。
「おい、それって正気か!? いくら何でも、危険すぎる」
「まあ、遥斗くんはそう言うと思ったわ。――でも、2年C組にはあたしたちと同類の人物がいるじゃないの」
「『あたしたちと同類』って、まさか……」
「そう。詠美さんに『サバト』へ潜入してもらって、根掘り葉掘り聞き出すのよ」
「ああ、詠美って……タロット少女の真島詠美のことか。確かに、彼女なら信用できるな。――良いだろう、そうと決まればやるしかない」
「そうね、そうこなくっちゃ」
こうして、あたしは詠美ちゃんから「サバト」への潜入捜査を依頼することにした。
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