ツンデレウルフの幽霊さん〜霊感のある僕とツンデレ幽霊さんとのラブコメ〜

眠太郎

第1章

プロローグ

 僕には昔から霊感が強く幽霊が見える。

 僕はこの霊感のせいで散々な目にあってきた。


 初めて見たのは小学一年生の夏だった。

 いつものように通学路を歩きながら帰っていた時

 不自然に棒立ちしているおじいさんを見つけた


「おじいさん。だいじょうぶ?」


 そう言って肩を揺らそうとしたが、僕の腕はおじいさんの肩を透けて通り抜けてしまった。

 

「ひっ……」


怖くなった僕は急いで家に帰りお母さんを連れて戻った。


「ねぇ、おかあさんっおかあさん!そこに、かおいろのわるいおじいさんがいるでしょ?」

「え?どこにいるの?いないじゃない」

「え?そこだよ!そこ!」

「はぁ……おもしろい。おもしろい。さぁ、おうちに帰るよ」


 そのまま半ば無理やり腕を引かれ、家に帰らされた。




 その後も友達といる時や、一人で遊んでいる時に、幽霊を見かけるようになった。


「ねぇ、あそこに人いるよ。こっちみてる」

「はぁ?何言ってんの?キモっ」


 僕が危ないヤツという噂が"ド"が付くほどの田舎のここではすぐに広まり、友達は居なくなり、常に一人で過ごすようになった。


 だから僕は、勉強に励み、全国的には都会とは言えないが、僕が生まれ育った田舎とは比べられないほど都会の大学へ進んだ。


 "ここでは絶対幽霊を無視しよう"

 

 そう決めた矢先、僕の家にある幽霊が住み着くようになった。






「つんつん……つんつん……つん……ぶすっ。あっ、貫通しちゃったぁー」



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