シン・短歌*秘花

プラチナサファイア

シン・短歌*秘花





桜咲く

ひめが集いし

花園で

淡くはじまる

ふたりの恋路


これまでも

わたしぎらいで

ごまかして

いつもどうりに

ただいないふり


綺麗だね

もてはやされて

つきあうも

誰も私の

心見てない


席につく

わたし私は

ときめいた

となりのあなた

運命さだめひと


桜散り

舞う花びらの

恋舞台こいぶたい

くちびるかさね

こころ花咲く


厳格で

可憐凛々しい

学舎まなびや

色香いろかくゆらす

百合ゆり白く咲く


かお

したたる汗も

甘い蜜

くちびる這わせ

互い味わう


お決まりの

ごきげんようと

振る舞って

すべてを騙す

赤い色欲しきよく


花園の

チャペルまでも

色舞台いろぶたい

ふたりのさが

マリアが祈る


誰にもね

秘密の恋は

罪の味

クラスメイトも

知るよしもなし




新しい

桜花びら

咲き誇る

としをかさねて

恋花こいばなれる


ねえさま

つぼみの言葉

かわいいけれど

ふたりのつぼみ

濡れることなし


すれちがい

よくあることと

あしらって

それもスパイス

こい狂い咲く


懺悔室

神のゆるしを

こうところ

乱れ蜜欲みつよく

冒涜の罪


恋花こいばな

愛へ昇華

するふたり

新たな桜

祝い見守る


さみしさで

わすれ去られた

花園で

愛はぐくむの

旧校舎


あなたのね

乱れるところ

知っている

つぼみに指を

すべらすわたし


あなたのね

悦ぶところ

知っている

つぼみを舌で

いたぶる私


あなたにね

逢えてよかった

涙ぐむ

わたし私と

愛いつまでも


五分咲ごぶざきの

桜見送る

ふたり愛

立ちはだかるは

黒き箱庭

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