第64話:チヨノスケとジーナの合流

 ジャスティンが得た新たな力、サンバードフェイス。

 腕試しだと訪れた別の属性の地域は海ステージ。


 魚系の魔獣ならぬ神獣達を相手に、狩猟による特訓を行っていた。


 「雷のおっさんから貰った盾!」


 本来、水中は苦手なサンバードフェイスでも高速移動を可能にしたジャスティン。

 神気を纏わせて水中を空だとごまかし、高速飛行で移動し先回り。

 盾にぶつかったカツオを生け捕りにし海上へと上がる。


 「おっしゃあ、カツオゲット~~~!」

 「フィ~~~~~ッシュ♪ 流石は我が勇者♪」


 飛んで来たソレイユが、ジャスティンの投げたカツオを受け取る。


 「ソレイユは先に戻ってくれ、次はマグロ狩りだ♪」

 「はい、海岸でお料理の準備をしておきますね♪」


 ソレイユと別れジャスティンは変身したまま、再度海へと潜る。

 水の領域と呼ばれるこの地に来て三日。

 ジャスティンは己の武技を鍛えるべく、魚型の神獣を狩りまくっていた。


 夏のマホロバで、魚料理の味を覚えたジャスティン。

 チヨノスケが見たらドン引きされるほどに、魚を食う。

 当初は、全て斬っては焼いてとコツを掴めなかった。


 ソレイユとの浜辺での組手で相手の勢いを受け流す技術を応用。

 殺さず、形を崩さず捕獲できるようになっていた。


 「へ、突進した魚共は中々軌道は変えられないからな♪」


 突っ込んで来るマグロを盾にぶつけて捕獲。


 今度は海底から出て来た巨大なウミヘビとの対決。


 「知ってるぜ、お前には銛だよな♪ 蒲焼だ!」


 うねうねと魚より変幻自在で動きが早い、黒いウミヘビ。

 高速移動で対抗しつつ、首の横に銛を突き立てて捕獲。


 「お~~~い、戻ったぜ~~♪」


 海岸へと戻り変身を解くジャスティン。

 巨大ウミヘビも出す。


 「お帰りなさいませ♪ おお、ウミヘビも美味しいですよ♪」


 浜辺で石の刃の剣を振るい、カツオを解体していたソレイユが出迎える。


 「そうか、じゃあ切り身にしたらにしたら陸地の平屋へ持って行こう♪」


 ジャスティンもサンバードソードを取り出し、切り身づくりを行う。


 海岸からある程度陸地へと進んだ先にある屋敷へと向かうジャスティン達。

 マホロバで見た旅館と言う二階建ての部屋が多い宿のような屋敷だ。


 「おお、お帰りなのじゃ♪ 二人共♪」

 「お久しぶりでござる♪」


 白い着物に赤い袴の美少女輝姫。

 青い着流しの侍の少年、チヨノスケ。


 良く知る仲間である二人が、屋敷の玄関から出て出迎えた。


 「はい、ただいま帰りました♪ 釣果は大漁♪」

 「おう、戻ったぜ♪」


 ジャスティン達は屋敷の主である輝姫達に挨拶をする。


 「お二人とも、足を清めなされ」

 「おう、ここじゃ裸足だからな」

 「では、失礼して」

 

 チヨノスケに促され、ジャスティン達はサンダルを脱ぎ浄化の炎で足を清める。


 「たのも~~~!」

 「ごめん下さいませ~~♪」


 ジーナとルミトラも玄関へとやって来た。


 「むむ、来ましたねジーナ!」

 「ジャスティンと僕はセットだからね♪」


 そんな事を言いつつジーナ達も行儀よく足を清めて裸足で屋敷に上がる。


 「と言うわけで、各地で起きておる高位の魔族との接触事件じゃが?」


 屋敷の畳の大広間に集い会議を始める。

 長テーブルの上座の輝姫から話を切り出す。


 ジャスティン達は西側の席、チヨノスケは東側に座って聞いていた。


 「マホロバを含む東方でも起きていたのでござる」

 「他の大陸でも同じみたいだね」


 輝姫に続きチヨノスケが語る。

 ジーナはなるほどと呟く。


 「正直、犯人は外の世界の輩からも知れぬ」

 「拙者が出会った魔族は、神が世界を揺らしてぶつけて来たと申しておりました」


 輝姫とチヨノスケが語り出す。


 「つまり、誰かが魔界と俺達の世界をクラッカーの玩具にしてると」

 「ジャスティンよ、そなた聡明じゃの!」

 「いや、ようはそう言う事だろ? そう言う外の邪神がいるんじゃね?」


 輝姫に驚かれたジャスティン。


 「ジャスティン様、何か神気と会話できると異能に目覚めまして」

 「ソレイユ、その情報は今言うか?」

 「共有は早い方が良いですよ♪」


 ソレイユがジャスティンの新たな異能を仲間達に告げる。


 「ふわっ! 何じゃその力? 伝説神にでもなる気か?」

 「あらあら、流石は私が姉さまに相応しいと見繕った男児です♪」


 輝姫は驚き、ルミトラは微笑む。


 「ジャスティン殿、何処へ進化の道を行かれるおつもりで?」

 「そうだよジャスティン、僕らを置いて行かないで!」


 チヨノスケは疑念を抱き、ジーナは恐れる。


 「いや、それは世界を守って平和に導ける方向だよ?」

 「ええ、ジャスティン様は魔界すらも救おうと立ち上がる決意を♪」

 「ああ、馬鹿な話だろうが俺に乗っかてくれないか?」


 ジャスティンは意を決して、ここにいる面子に語りかける。


 「おお、あのジャスティン殿が大志を抱かれた♪ 乗ったでござる♪」

 「うむうむ、我ら五天ですべてを救うとは良いのう♪」


 チヨノスケと輝姫は乗った。


 「では、その異能を解明してジーナ達も進化させましょう♪」

 「ええ、僕もジャスティンと救世主夫婦になります♪」


 ルミトラとジーナも同意した。


 「あれ? 良いのか皆、不安とか無いのか?」

 「皆、ジャスティン様を気にいってくれているのですよ♪」


 驚くジャスティンに笑うソレイユ。


 「うむ、手柄の独り占めはさせぬがそなたならその心配もないしのう♪」

 「ええ、ジャスティン殿なら自分も頑張るから皆も共にと申されるでしょう♪」


 輝姫とチヨノスケが微笑む。


 「神気と勇者の感応については私も調べますね♪」

 「ガラム達も呼んで、合同の神稽古だねジャスティン♪」

 「いや、ジーナ達も良いのかよ?」

 「当然さ、世界を救った英雄の発言力は見返りとして魅力的すぎるよ♪」


 ジーナの動機に唖然とするジャスティン。

 世界を救うのは皆の義務、だが主役は自分達その勇者だと言う輝姫。


 「ローシャナやマーリャも乗るであろう、この大波に♪」

 「輝姫様、すげえ欲張りだな?」

 「そこが姫の魅力でござるよ、ジャスティン殿♪」


 ジャスティンは輝姫の皮算用に呆れた。


 今ここに、五天の太陽神と勇者による世界救済計画が産声を上げた。

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