第二章 10 リズカード・オーウェン

「クインティトの大動脈」は全てのインフラ設備を詰め込んだジオフロントだ。その名の通り、クインティトの全域を覆っているため、内部は複雑を極めた構造をしており、人間が全容を把握することは不可能だと言われている。

 迷い込んでも容易に出られるよう出入り口は至る所にあったが、いずれもインフラ管理会社の許可がなければ立ち入ることはできない。そこで、リズカードはその中から設置時期が特に古い電子扉を先の探知中に把握していた。


「さて、現代の最新魔法研究の成果を披露しようか……」


 リズカードは認証機にヴィス粒子をまとった指を近づける。触れるか触れないかの地点で、パチッと火花が散って扉があっさりと開いた。


「よし……解錠アペリオとでも名付けておくか」


 特定部位の電圧を異常に高めることで認証を行う処理部分を飛び越し、扉を開く回路だけを作動させた形だ。代償として過電圧でスイッチがぶっ壊れ、誰でも通過できる扉になってしまうのが欠点か。


 扉を通過し、鋼鉄製の階段を降りていくと、大量のパイプとケーブルが張り巡らされた空間に出た。上水道、下水道、ガス管、電線、インターネット線など、主要なライフラインがぎっちり詰め込まれ、一定距離ごとに無線給電器と電波中継器が設置されている。


 リズカードが驚いたのは、想像以上に地下空間が広くゆったりしていること、そして、床や壁、天井が建材できちんと白くコーティングされており、明るい照明もあいまって清潔な印象すら受けたことだ。これがクインティト中を網羅しているわけだから、とんでもない話だ。


「……『ジンク・ウェブ』を流用したと聞いたが、ほとんど面影がないな」


 リズカードは同業者のような目つきで呟く。というのも、この「大動脈」の前身となったという中世の水道網「ジンク・ウェブ」は、千二百年前にリズカード自身が主導して整備したものだからだ。実際、この地下道を作った主目的は別にあり、水道網は副産物のようなものだったのだが、これのお陰で後に世界中を騒がせる疫病の蔓延を防ぐことができたため、ジンク・ウェブは水道網として有名になったのだろうと思う。


 リズカードは脳内のマッピングをもとに、大動脈の中を進んだ。傍らではずっと大量のケーブルとパイプがうねり、分岐し、合流し、狂気じみた密度の流線を描いている。リズカードはその奔流を何気なく眺めていたが、その中に一本だけやけに新しいケーブルが混じっていることに気がついた。水道管よりは細く、高圧電線よりは太いその線は被覆されておらず、中の金属線が剥き出しになっている。

 その鈍い輝きを見てリズカードは息を呑んだ。


「あれは──いや、まさか、この時代に残っているとは……」


 しかし、何故だ? あれはもう不要になったはずだ……。

 と、疑問の渦に飲まれかけたリズカードだったが、物音が近づいてくるのに気がついて、近くの角へと身を引っ込めた。様子を窺うと、徘徊している警備ボットの姿が目に入る。ゲートで見た攻撃的な警備ボットと比べると丸っこくて、機動力に特化した哨戒用のものらしい。

 また新たに考案した魔法の使いどころだ。リズカードはヴィス粒子の小瓶を出すと、魔法を発動した。


ECMジャミング


 これは電気と逆相となる魔法波をぶつけて、対象に流れる電気活動を阻害するものだ。

 喰らったボットは一時的に通電しなくなり、急停止してがくんとうなだれてしまう。ただ、本当に一瞬だけなので、ほどなく電気を取り戻して再起動をし始める。


「……これは微妙だな」


 ボットが本来の機能を取り戻す前に、リズカードはその脇を通り抜けた。見かけた例のケーブルのことは、任務が済むまで放念しておくことにする。

 その後、幸いにも遭遇した警備ボットはそれだけで、リズカードは無事に目的のビルの点検口まで辿り着いた。再び電子扉があるが、これは地上の不特定多数に対応する電子扉と違って、不変のビル管理者IDだけを通すプログラムになっている。


「答えがあるなら簡単だな……」


 リズカードはヴィス小瓶を振ると、認証窓に手を触れて局所的な探知魔法を使った。この魔法はちょっとした電子配列くらいなら把握できる。認証システム内に立ち入ってカギとなる電子の並びを把握すると、今度は微細な電磁気魔法を行使し、その通りの電子配列を掌に再現する。ちょうど手をICカード化したようなものだ。

 最後に手を認証窓に押しつけると、ピッ、と音が鳴って電子扉が開いた。


「よし……」


 リズカードは手応えを感じた。現代技術への理解が深まることで、ずいぶんと魔法の選択肢が広がった。新魔法の開発と洗練に必要なヴィス粒子を提供してくれたエレカの協力も大きい。小瓶の中、目減りした粒子たちに感謝の念を送りつつ、リズカードは目標のいるビル地下階へと進入した。


 中に入ってしまえば大したセキュリティもなく、目的地としていた電波暗室の前まで難なく到着する。またも電子錠がかかっているが、この後、目標人物を連れ出すことも考えて、最初の電子扉にしたのと同じように破壊を伴う解錠方法アペリオを選んだ。

 回路がショートして、扉が開く。リズカードは電波暗室の中に踏み込んだ。


「やれやれ……何度来ても返事は変わらんぞ」


 中にいた人物は誰かが来た気配を察したのか、そう言いながら気怠そうにベッドから腰を上げ、リズカードの顔を見て表情を変えた。


「な……誰だ、お前は」

「ノイス・ダルダイン=ライゴーだな」

「先にこちらの質問に答えろ」


 ノイスは動揺しつつも威圧的な口調で言った。保護対象に警戒されては話が進まないので、リズカードは会社のIDをかざして答える。


「結婚相談所『リズカード』の者だ」

「結婚……リズカード……? ふざけてるな」

「エンケットの業務委託と言えば通りはいいか」

「エンケット? はっ、連中は撒き餌に群がって永遠にストラトを嗅ぎ回ってると思ったが、まともなパートナーを見つけたようだな」


 エンケットの名前を聞くや、ノイスは急に態度を崩して大きく両腕を広げた。


「いかにも、私がノイス・ダルタインだ。お前は」


 誰何しておきながらノイスは返事を待たずに背中を向け、キッチンの方へと歩いて行く。


「『リズカード』と呼んでくれればいい」

「リズカード・オーウェン。ここでまさかの賢迅ご本人の登場とはな」

「……本気で言っているのか?」


 すんなり受け入れた相手の態度にリズカードが問うと、ノイスはワインボトルを取り出しながらばっと大げさに振り向く。


「本気だ。その方が面白いしその無礼な言葉遣いも許す気になる。それで実際のところは?」

「いずれ知ることになるだろう」

「はっ……食えない男だ。それより、座れ。レラーの二〇年が腐っちまうとこだった。こんな上玉、ひとりで飲むのは惜しいからな」


 ノイスは友人を歓迎するように言うと、ソファの方を顎で示す。食えないのはどっちの方だ、とリズカードは呆れた。


「ここはあんたの自宅か?」

「そんなわけあるか。トルネ=ライゴー肝入りの拘禁部屋さ。おかげで私は手も足も出ん」

「トルネ=ライゴー」


 リズカードがソファに座りながらその名を呟くと、「知らんのか?」とノイスが向かいに腰を下ろし、間のテーブルにてきぱきとグラスや冷却器つきのワインボトルを置いていく。


「トルネは港のトルーナを持ってることと、オルガン主義ってくらいしか持ち味のない連中だ。『オルガン優生会』は連中の主催で私たちはいつもミクシアンへの失言を強要されてる」

「まるで嫌々ミクシアンを差別しているような口ぶりだな」

「私は慎重な派閥なんでな。ただ、あの会は利権がうまい。私のような利権大好き人間はついついたかりたくなってしまう」

「ふむ……せっかくこうして助けに来たのに脱出の素振りもないのは、トルネから滴る甘い汁が理由か」


 リズカードが皮肉をこめて言うと、ノイスはワインを注ごうとした手をぴたっと止め、黒々とした瞳で見据えてきた。


「おい、私を誰だか知ってるのか? ずいぶんと口が回るようだが、お前、本当に何者だ?」


 突然、時が止まったように緊張状態になる。しかし、リズカードは動じなかった。

 リズカードは中世の頃、クインティト市政会の一員として、倫理観の欠片もないような相手と折衝をした経験がある。無学な世襲領主に比べれば、ノイスは異常に話が通じるし、どういう対応が好みなのかわかりやすい。

 リズカードはノイスの欲しがっている答えを言ってやる。


「あんたが言ったのだろう。リズカード・オーウェンだ」


 ノイスはリズカードの顔面を穴が空きそうなほど凝視していたが──。


「おい、君、面白すぎるな」


 ニッと笑ってみせると、グラスにどぼどぼとワインを注ぎ、差し出してきた。リズカードが素直に受け取ると、自分のものにも同じように入れ始める。


「気に入った、リズカード・オーウェン。これは私のもとに辿り着いた褒美だ」

「それはどうも」


 杯を合わせると、控えめに口に含んだリズカードとは対照的に、ノイスは水のようにぐいっと一気に飲み干してしまった。ひとりで飲むのも惜しいような上玉の酒ではなかったのか。その衝撃に負けて味がわからなくなる。遠くの方で葡萄が手を振っているような風味がした。


「で、だ。リズカード君」


 空になったグラスをテーブルの端に置くと、ノイスは改まった調子で言う。


「君がどうやってここに来たのか知らないが、君の言う通りに私はここから出る気がない。しかし、この通り、君の訪問は大変嬉しく思っているんだ」

「出る気がないのに何故だ?」

「何故だと思う?」


 賢迅ならわかるはずだろう、と試すかのような目つきで見返される。ここで当てて信頼を得られなければ、ノイスは自分の意図を話すことなくリズカードを手ぶらで帰すだろう。


 リズカードはワインに口をつけながら考える。ひとまず予想通り、ノイスが軟禁状態にあるのはライゴー一族の中のダルタインとトルネの内輪揉めが原因のようだ。

 まず、トルネは何故、ノイスを軟禁状態に置いたのか。彼によるとトルネはオルガン優生会の主催であり、現在のクインティトではオルガン・ミクシアン関係に緊張が走っている。となれば、ノイスがそのバランスを突き崩そうとしたに違いない。その行動とは何か──。

 そして、ノイスは軟禁を甘んじている。ここに居続ければトルネからうまい汁を吸うチャンスがあるようだ。その上でリズカードの訪問を嬉しく思う理由は何か──。

 リズカードが口に含んだワインを喉に通す頃には、どちらの見当もついていた。


「あんたはトルネの抱える何らかの裏事情を漏らそうとしていたんだな。それがトルネ側に知られてしまい、告発を阻止するべくあんたはその身を拘束されてしまった」

「おっ」


 ノイスの目が色めき立ち、ワインを自分のグラスに注ぎ始める。図星らしい。


「ただ、トルネはあくまで穏便に内部告発を取り下げるようあんたに交渉をしかけた。同族だし、過激に要求すれば禍根を残すだろうからな。この部屋はそのための一環だ」

「はん、続けろ」

「あんたは交渉を呑むのはやぶさかではないし、何なら利権を得る隙すらある。だが判断するためには材料が足りず、そのための情報もこの孤立無援な電波暗室では得られない。そうして窮しているうちに、利用できそうな味方サイドの人間が現われて、テンションが上がった……と、そんなところか」

「驚いたな……具体性を除けばおおむねその通りだ。これは本物かも知れん」


 ノイスは拍手の代わりか、空のグラスを手の甲にカッカッカとぶつけてみせる。いつの間にかワインの二杯目を飲み干していた。


「つまり、あんたは誰かに情報収集を依頼したいと考えている。それが達成されない限り、ここから出るつもりはないと」

「その通りだ。リズカード君の予想通り、私はトルネに交渉を持ちかけられているが、相当情報を隠されていてな、その裏付けがしたい。で、君、どうだね?」

「……報酬は?」


 リズカードは、事務所で待っているであろうフーロとエレカのことを考えながら問う。ノイスはリズカードの顔色をうかがいながら答えた。


「十万ネスタはどうだ」

「……ふむ。なら今から適当な調査結果を話してもいいがどうする?」

「冗談だ、十万の価値ある超大嘘調査結果も気になるがな。これくらい出そう」


 ノイスはテーブル上に額面をなぞってみせる。これにエンケットから出る懸賞金を足せば、十分すぎる収入になる。同時にノイスとのコネクションが手に入るなら、これ以上の成果はない。


「わかった、依頼を請けよう。それで何を探ればいい?」

「落ち着け、最初から話すから」


 ノイスは馬でもなだめるように、どうどうと両手をかざしてくる。


「まず、私はトルネに関してとある情報をキャッチした。連中がどうやら『ミクシアン問題を解決する』プロジェクトを動かしているらしいとな」

「ミクシアン問題を解決……」

「ああ。その会議内では『オルガンとミクシアンの区別を無意味化する』という発言がなされていたらしい。これをオルガン主義者の連中がやってるってことは、どういうことかわかるか?」


 リズカードは、初めてエレカからミクシアンの由来を聞いた時のことを思い出す。ミクシアンは違法なミクシアを宿した罪人から生まれた罪の子であり、オルガンは生粋の人間であることを誉れにしているのだった。その区別をなくす、ということは──。


「例えば……遺伝的なミクシアを摘出する技術を開発している?」


 ミクシアンの体内からミクシアを排除し、人類全員をオルガンに戻す。それがオルガン主義者の目指す究極のゴールなのか?

 リズカードの回答が嬉しくてたまらない、というようにノイスはうなずく。。


「ああ、そうだ、私もそう考えた。だから非人道的だと言う建前で証言を集めて、ライゴー監査部への告発に踏み切ろうとしたんだ。調査が入れば正確な実態が掴めるはずだからな」


 リズカードは眉をひそめる。


「あんたもオルガン主義者じゃないのか。何故、離反するような真似を?」

「とんでもない、私は保守主義者さ。今のクインティトのシステム利権で稼ぎ倒してるんだからな。せっかく積み上げてきたパワーバランスをおかしな思想で突き崩されちゃ困る」


 ミクシアンからの搾取で儲けてるんだから平等なんてもってのほか、ということらしい。リズカードの中で嫌悪感が湧いたが、もとよりオルガンの権力者はこういうものか。

 無言で応えるリズカードに、ノイスは焦れたように身を乗り出す。


「それに実際、非人道的じゃないか? 生まれ持ったものを強制的に排除するなんて、幼子のうちに毛根を焼かれるようなもんだ。ミクシアンたちが大抵抗する姿が目に浮かぶ」

「それは……どうだろうな」


 その是非はともかく、オルガンの上層部が「プロジェクト」と銘打って、ミクシアン抜きで勝手に進めるような議論ではない。

 そんなリズカードの思考を止めるように、ノイスはパンッと手を拍った。


「ま、どうも違うらしいんだがね」

「違う?」

「ああ。まず私は、告発について水面下での協議を行う、って体裁でトルネの連中にここへ連れてこられた。実態は軟禁して告発を実質的に凍結するためだ、私を抑えておけば一ミリと動くことはないからな。で、告発に関する対話の中で、ミクシア除去なんてあり得ないと説明を受けた。あのナノマシンはミクシアンの生命維持システムに完全に組み込まれている。全摘出なんてすれば、ミクシアンは窒息するように簡単に死に至ってしまうとな」

「それを鵜呑みにしたのか」


 リズカードが問うと、ノイスは大口あけて喉奥を指さしてみせる。


「ああ、した。鵜呑みにしないとこの部屋から出られないからな」

「潔いな。それで」

「この件はダルタインにとってもいい話だから告発を取り下げなければ後悔する、と言われた。詳しくは聞き出せなかったが、トルネが進めているのはミクシアンとインフラに関わるプロジェクトらしい。確かにトルネは設備会社を買収したりインフラ周りに資金を注入していた」


 ミクシアンとインフラに関わるプロジェクト──リズカードは、地下道に新しいケーブルが張られていたのを思い出す。


「ふむ……情報はそれだけか」

「それだけだ。どのみち捕まった時点でこっちの負けなんだ。告発の取り下げに同意しなければこの部屋を出られない。教えてくれただけでも温情ってものだ」

「わかりきってるなら諦めて、すぐに同意すればよかっただろう」

「は、確かにな……だが、とても甘い香りがしたんだ」

「甘い香り」


 ノイスは目をきゅっと細めると、鼻から思い切り息を吸い込んで、一気に破顔した。


「はぁ〜、これこれ、儲けの香りだよ。トルネの連中は本気で何かをしようとしてて、ダルタインにとっても悪くない話だ、とかいう。もし、そこに付け入ることができそうなら、少しくらい外部からの接触を待つくらいへっちゃらだ」

「……何を言ってる?」

「賢迅ならわかるだろう。私は転んでもただでは起きない」


 ノイスは見透かしたように言う。リズカードは何も答えずにワインを口に含んだ。

 こんな男の使い走りになるのは癪だったが、こういう男だからこそ仕事に見合った報酬を確実に渡すだろうという妙な信用があった。またリズカードとしては、トルネ=ライゴーの進めているという「ミクシアン問題の解決」も気にかかる。


「ともかく、そのプロジェクトの概要を調べればいいんだな。何か目星はついているのか?」

「呑み込みが早くて助かるな。目星を言うと『ピリナス』というトルネの所有する設備会社にやたらと増資していた。そこが中心となって何かやってるのは間違いない。知り合いにスウィズ・デュラスというピリナス勤務の技術者がいる。そいつに当たれ」

「スウィズ・デュラス……何者なんだ?」

「私の兄嫁の元同僚の妹で、気は弱いが頭の良い女だ。転職の斡旋をしたから私に恩がある。休暇を楽しんでいるノイス・ダルタインから、と伝えればノーアポでも会ってくれるさ」


 実質的な内通者ということらしい。ライゴー傘下企業のあちこちにそういう者がいて、一族間でも腹の内を探り合っているのだろう。ほとんど中世の王宮と変わらないな、とリズカードは思いつつ立ち上がった。


「了解した。三日ほど時間をもらおう」

「いや、二日だ。過ぎれば報酬はないと思え。あ、それから各所にいくつか言伝を頼む。私がいない間に勝手なことをされても困るからな」


 ノイスはそう言うと、近くに置いてあったナプキンに何事か書き込み始めた。リズカードは半ばうんざりしながら、部屋の玄関近くの壁にもたれて待つ。


「そういえば……あんたの父親について訊きたいんだが」


 ふと、リズカードは訊ねた。ノイスは手元に目線を落としたまま応える。


「ああ? ダルタイン=ライゴーか」

「愛人がいたとかいう事実はないか」

「親父に愛人? はっ」


 ノイスは鼻で笑うと、足を組みながら身体をリズカードの方へ向けて言った。


「あいつは『ドン』だ。クインティトだけで三百人くらいいるんじゃないか。知らんけど」

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