VRの甘さが血の現実へ転ぶ。友情と恐怖の魔法少女戦記開幕から息が止まる
- ★★★ Excellent!!!
『魔法少女げぇむ』は、VRMMORPGの「いつもの夜」を丁寧に積み上げたうえで、その足場を一気に崩してくる。千紗都とちはやの寝る前のボイスチャットが、2人の距離と空気を自然に伝え、その日常があるからこそ、運営から届く招待状の不気味さが際立つ。願いが叶う、ただし死亡は一度きり、プレイヤーキル解禁。イベント文面のはずが、千紗都が参加を押した直後、現実のリビングに両親の血と「ゲームの悪魔」が現れ、窓ガラスが爆風で割れ、剣のような飛翔体が悪魔を押し返す。現実の室内に異物が侵入してくる怖さが具体的で、序盤の引きが強い。
以後も恐怖だけで押し切らず、汐織が病室で「ここはゲーム空間だ」と説明し、現実側では辻褄が合う形に改ざんされるルールを示す。千紗都の記憶と周囲の「強盗」認識のズレが謎として機能し、ちはやを巻き込みたくない迷いも「言った瞬間に何が起きるか分からない」危険と結びつく。さらに初陣では、オーガに追い詰められた千紗都を透が煙突の上から「業火の鉄槌」で救い、戦闘の派手さと判断の重さ、人間関係のほころびが同じ場面で進む。チームがどう崩れてどう立て直すのかが気になり、37話連載に見合う土台が序盤で固まっている。