第4話 (四)六道辻の夢
かつての日、そして数日、
あの日から、道を訊かれることは、めったになくなった。その代わり、私は夢を見るように、忍び寄る黒い影を見るように―― なっていた。
黒いバイクの男は私を乗せて、
ここは、三本の道が交わる交差点、通称
そして、私はこの辻で待っている。
通りかかる旅人達は立ち止まり、どちらへ渡るべきか考える。
「○○へは?―― どっちですか?――」
何度も繰り返された言葉、何度も繰り返された問。
そして、思わぬ言葉が――
「あの、
えっ、私はいったい? ただの待ち人? 私も一人のただの旅人?
この道は夢の世界へ続く辻道。
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