『Acoustic Yellow』神楽鳴&青色矮星&午後日和

神楽鳴:

私の居場所を失くし、逆さになった花弁を噛んだら

ぽつり、溢れ出した雨が憎いのに


誰かと作り上げた…幸せな、記憶おはなし

今日も筆跡を残さぬよう、水玉の付箋を貼って


青色矮星:

自分自身を熔かし、生き続ける人生ならば

一歩動かぬ内に、俺達は踏みつぶされてしまうんだ


惑星の炎、宿した花の名前を想い返す度

いつか来るかもしれない、別れに瞼を伏せて…


午後日和:

草原に寝転ぶヒツジ達を

青い空の下で、見失ってしまう様な


誰にも言えない秘密を持って、二人は生きるのでしょう


小さな綻びが幾つもあるから『五月の檸檬色カラー

Corsage、Boutonnière、詞花集は彩った…



青色矮星:

夜の静けさも、昼の眩しさも

いつか、感じ取れなかった日々が


落ちた星の数だけ、惑う人生を呼び戻し

世界銀河鉄道に瞳を瞬かせる、この一瞬は終え


瞼を閉じれば『君の順番へ』


神楽鳴:

描き切れない言葉の数だけ、花束を抱えて

表紙に刻印された、秘密が続きを求めるから


この手で生み出す全て、偽りに見えていた

貴方も名前を思い出せたらいいな...



青色矮星:

誰かに踏み荒らされた花壇

もう一度、水を撒いたら蘇ると思ってた


こんな自分より

ずっと、優秀な奴だったら、何か変われたかな…


確率の計算式を思い浮かべて、自嘲する程

廃れた『星の王子様』探し続ければ


俺が願った事も、叶うか?


午後日和:

小さな茨の棘だって、傷ついたら月光浴を望むの

本音を一つ、栞箱ケースに閉まって、朝日を迎えたら


再び開いて懐かしむのも、素敵でしょう

Darjeeling、Assam、Earl Grey、陶器のカップに注いで…



神楽鳴:

閉じた瞼から

溢れ続ける、超えられない夜を


二人、手を繋いで

小説の裏表紙に、名前を書いた瞬間が


どんなに嬉しいか…


青色矮星:

鮮やかなインクが彩った、冷たかった夜も

微笑みを浮かべる明日になって


その続きを、銀河に夢見たままの

俺達でも作れるかな?


熔けない霜雪の代わりに、flareを輝かせたいんだ…



午後日和:

産まれてきた、その瞬間を二人は覚えてる?

黄色い花々が祝福さえ、優しいベールに包み込んだ事を


神楽鳴:

記憶にないページに、自分の姿を見つけて

並んだ後悔に、胸が熱く熔け死んでしまうけど


それでも、いつか出会える人の為に


青色矮星:

このイノチで生きる。



午後日和:

星が降り注ぐ、この日々も、超えられない過去

何時か笑えるのと、抱き締める手が震えてしまうのは


きっと、奇跡を感じているから


神楽鳴:

目の前に広がった、空想の世界に馴染むまで

檸檬ジュースを飲んで。心を満たせば…


青色矮星:

この星に生まれた喜びに溢れて、涙が足りないな

冷えたDog Starを噛めば、彼女が呼んでくれた。



ALL:

貴女の名前も、愛を込めて

囁けたらいいな…

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