3~4人

『白昼夢と恋心』神楽鳴&ヘル&午後日和

午後日和:

原稿用紙、紫陽花のインク垂らして

届かぬ想いは封筒に閉じ込め


髪飾り、満月の光を浴びたスミレよ

深すぎる恋に魔法は似合わないの


神楽鳴:

真夜中の想い人へ、本を一冊

瞳から零れ落ちた涙は、キラキラ輝いて



午後日和:

破れたモノクロ映画に生きてるように

何万通の手紙が、受取人もないまま

額縁に咲いた花束が愛おしくて


寂しさに心を揺らすのでしょう


神楽鳴:

物語が続きを催促するように

何万年の月日が経っても

青い喪失が、消える待ち侘びた時は


そう簡単に訪れてはくれないや…



ヘル:

気付いてしまった心に蓋が出来なくて

漆黒の造花を、濡らす涙雨


もう、僕が愛した貴方と

消えてしまえたらいいのに…!



神楽鳴:

こんな世界に、生まれた小説なんて

何万回のエンドレスで飽きてしまった

片想いが半分だけで、もう半分が


駄作だったら良かったのにな


ヘル:

このまま愛する人を違えた僕が

何万本の黒百合に想いを、託そうと

悲痛に泣き叫ぶ、心は傷を埋めないし


震える手を握り締めてくれる人も、居ないな…



ALL:

特別な人なんか、皆移り変わっていきます

君『貴方』だけに惑う心、身体


それぞれの気持ちが向かう方へと

手を伸ばしても、叶わないと知っている筈なのに



午後日和:

紅茶の波紋に、角砂糖一つ落として

読み耽った詩集、栞を挟むのは


もう二度と聞けない、あの人の声

私の心だけ、ずっと覚えていられるように…


ヘル:

こんな想いが消えた所で、貴方は変わらない

何千万の涙声が、白昼に響く中で


神楽鳴:

それでも君を愛してしまう、何かを

恋と言うまでは


ヘル:

大したことない、なんて

僕は笑えないや...

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