第4話 高校に入学した


 俺達は都立大橋高校に入学した。中学と高校のある場所はほとんど同じ。だから最寄りの駅も同じだ。


 今日は入学式。初めて行く高校に俺達三人は時間を合わせてと言っても絵里と俺は一緒だし、小峰も同じ時間にホームに電車入って来るから新鮮味はないけど高校まで一緒歩きながら


「小峰、なんか歩く距離がほんの少し遠いだけだよな」

「仕方ないだろう。都立だから中高一貫校にならなかっただけじゃないか?」

「そうね。中学からも半分は同じ生徒だっていうし」

「だよな。学校に向かっている生徒。見た事有る連中ばかりだし」

「まあ仕方ないんじゃないか」


 意味もない事を言いながら高校に着くと綺麗に飾り付けられた校門の前で写真を撮っている生徒も居た。


 それを邪魔しない様に入ると多分先生だろう人が道案内をしてくれている。それに従って昇降口に行って名前の書いてある下駄箱を開けて新しい上履きに履き替えると中央階段横に貼り出されているクラス分け表を見た。


「俺と小峰1Bで一緒だな。絵里は…」

「えーっ、私だけ1Aなの?なんでぇ?」

「こればかりはなぁ」


 しょぼんとする絵里と一緒に隣同士の教室の前に来ると

「和樹、一緒に帰るからね」

「うん、当たり前だ」


 それだけ言うと教室に入って出席番号が書かれている席に座った。俺と小峰は直ぐ側だ。前も隣も知らないが、クラスの中には中学以来の見知った顔も有った。



 §三橋絵里

 和樹と別々のクラスになった。単に入学試験の成績だけとは思いたくない。だって入試が終わった後、和樹と小峰君と答え合わせしたらそんなに違いが無かったからだ。


 私が教室入ると中学以来の顔見知りの子もいるが全く知らない子もいる。私が席に着くとチラチラ私を見ている視線が多い。ほとんどが男子だ。好きになれない視線。誰か知っている人来ないかな。



 小峰と話をしていると真っ白なスーツを着て、赤い縁の眼鏡をかけた女の先生が入って来た。

「皆さん、このクラスの担任になりました木城文香きじょうふみかです。挨拶は後にします。入学式が始まりますので廊下に出て並んで下さい」


 取敢えず出席番号順に並ぶと担任の後ろについてぞろぞろと廊下を歩いた。体育館の入口には俺達以外にも一杯人がいる。1Aに絵里が居るのが直ぐに分かった。


 絵里も俺を見つけたのか思い切り嬉しそうな顔をしている。廊下で別れて別々の教室に入ったから心配だったが何もなさそうだ。



 体育館に入って行くと手前は新入生の父兄、舞台側に先輩にあたる在校生が居る。担任を先頭に緊張しながら歩いて行くと俺の両親や絵里の両親の笑顔と拍手をしている姿が見えた。ちょっと安心。


 その後は式次第に則って粛々と式が進められた。色々な授業担当先生や各クラスの担任の紹介が終わると俺達は教室に戻った。


 そして少しして担任の木城文香先生が片手に青い箱を持って教室に入って来た。

「改めて。今年一年このクラスを担当する事になりました木城文香です。字はこう書きます。黒板側に体を向けて自分の字を書きか始めた。結構スレンダーな体だ。運動でもしているのだろうか?


 こちらに振り替えるとちらっと時計を見た後、

「早速ですが席替えをします。この青い箱の中に席位置を書いたカードが入っています。廊下側一番先頭の人から取りに来て下さい」


 一人目の人が緊張した面持ちで前に出て箱の中に手を入れて一枚取り出した。えっ!という顔をしている。


 俺も小峰も直ぐに順番が来た。前に出て箱の中に手を入れて一枚取り出して席に戻ってからカードを見た。

 窓際の一番後ろから一つ前だ。悪くない。小峰の方を見るとまあまあという顔をしている。


 最後まで取り終わると

「では、自分の席に移って下さい」


 ガタガタと移動する中、俺と小峰は同じ方向に。座ると隣同士だった。

「やったな倉本」

「おう、これで一年間一緒だぜ」


 でも俺と小峰の後ろに座った子はどう見ても百六十もなさそうだ。ちらりと後ろを見ると困った顔をしている。


「皆さん移動終わりましたか。それでは自分の席からで良いです、自己紹介をして下さい」

「「先生」」

「何ですか。桑原さん、金井さん」

「あのう、前の人が大きすぎて前が全然見えません」

「私もです」


 木城先生が俺と小峰をジッと見た。

「確かにそうね。倉本君、小峰君、後ろの席の人と交換してくれますか?」

「いいですよ」

「俺も」


 俺の後ろの人は桑原さん、小峰の後ろは金井さんというらしい。二人共俺達と入れ替わると

「「ありがとうございました」」


 こういう時はなんて返せばいいんだ。まあ返事なんか良いか。場所はこっちの方が全然いい。


 自己紹介は今度は窓側からだ。前に移動した桑原さんの番になると

桑原果歩くわはらかほといいます。東上中から来ました。宜しくお願いします」

 ショートカットのやや丸顔で可愛い顔をしている。


 俺の番になり

「倉本和樹といいます。大橋中から来ました。宜しくお願いします」

 芸がない桑原さんコピー。でもこれでいいか。


 そして小峰の列にの番になり小峰の前の子が

金井美麗かないみれいです。桑原さんと同じ東上中から来ました。宜しくお願いします」

 肩までの黒髪にやや吊り上がった目をした細面の顔だ。


 小峰も

「小峰功といいます。大橋中から来ました。宜しくお願いします」


 コピペのオンパレードだ。笑いたくなってしまう。まだ挨拶だけでは性格は分からない。その内分かるだろう。一通り終わると木城先生が


「では、このクラスのクラス委員を男子、女子二人決めて下さい。その後色々な役員を決めます。自薦他薦どちらでも結構です。誰かいませんか?」


 シーン。


「他薦でもいいですよ」


 シーン。


「仕方ないですね。先生の方で決めます」


 俺の名前も小峰の名前も呼ばれる事は無かった。こういうのってこのクラスで一番成績がいい奴がなるんだよな。その他の役員も決め終わると木城先生が


「明日と明後日はオリエンテーションです。校内の案内と部活動の案内があります。部活動は強制ではありませんが高校生活を楽しむ為にも何かの部活動をする事を進めます。

 これで今日は終わりですが、昇降口で教科書の配布を行っています。貰い忘れの無い様にして下さい」


 クラス委員の掛け声で先生に挨拶をした後、俺と小峰は昇降口に向かった。昇降口には多くの生徒が居て並んでいる。

 教科書を受け取る為だ。スクールバッグは学校指定でも無くてもいいので持って来てある。学校指定のスクールバッグは教科書を配布している横で販売していた。


 取敢えず今日配布された教科書をギュウギュウにスクールバッグに詰め込んで背中に背負って出口に向かうと絵里が待っていた。何人かの女子生徒と話をしている。俺達の顔を見つけると

「じゃあ、また明日」

「「「うん」」」


 俺の傍に寄って来て

「和樹、帰ろうか」

「おう」

「絵里、もう友達が出来たのか?」

「うん、話しかけれただけ」

「そうか」


 明日から実質的な高校生活が始まる。結構ワクワク感があった。


―――――

書き始めは皆様の☆☆☆が投稿意欲のエネルギーになります。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

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