分析厨の少年は死亡済みだが感情売買デスゲームに巻き込まれる

ネルネル寧々丸

ようこそ

「皆様いかがお過ごしでした?バザールへようこそ!」


突如会場に声が響き渡り、その声で目を覚ます。

知らない場所だ


耳に入るのは戸惑い、動揺、歓喜の声。


赤と黒を基調とした、カジノ…いや神殿?

正確に言うとパキッとした赤と黒の神殿に、カジノの装飾や照明が施されている感じだ。


天井からぶら下がった足場に、白い仮面でスーツを着た先ほどの声の持ち主が立っていた。


周りを見ると数百人がおる。

数百人の中の一人の男が突発的に声を上げた。


「おい、ここは何処だ!」


バザールって言ってたよ。


「俺は、皆と土木工事をやってたはずで…なんなんだよ!なあここ何処だよ!」


あんなに声を荒げていいのだろうか。

この先体力は残しておくべきな可能性が高いのに。


「おー、元気がいいですね伊藤様!」


「んで俺の名前」


そしたら仮面の人はにっこり微笑んで


「精神病人は黙っててください」


とんでもねえ差別発言だなこの令和の時代に。

その一声と共に銃弾が飛んできて、男の頭と赤と悲鳴が弾けた。


「…あ、癖でボタン押しちゃった…うわ掃除だる…」


病人、土木工事…統合失調か、糖質かな。この人。

いや肉塊?


…何をする場所なんだそういやここは。バザールだから商売?


仮面の人が肩まである銀の髪を揺らして自己紹介を始めた。


「自らのミスで仕事を増やした哀れな私目、ラシュと申します。私のことは置いておきましてこのバザール、言うなればデスゲームのルールを」


そうやってラシュが話してるのに声を上げる人が出た。


「あんた人を殺して罪悪感はないの!?めんどくさいってなんやねん!」


ショートカットの女の子。

話し方が研究所の人とにてて、スカートとブラウスを身につけている。


「やめろ関西弁の嬢ちゃん!」


あの喋り方は関西弁っていうらしい。

初めて知った。


「皆様落ち着いてください、もう全員死んでます。」


ぱっとみんなが静かになった。


つまり情報をまとめると、みんな死んでる。どいつもこいつも感情豊か。

見たことないくらい喜怒哀楽が表に出ている人ばかり。


…でも、人類からは今感情が消えているはず。


俺は姿勢よく手を挙げる。そうじゃなきゃ怒られる。


「お、イツカさん腕がピシッとしてて綺麗ですね。発言権を正式に授けましょう!なんです?」


全員の名前覚えてるのかな。


「…これって異能実験ですか」


なんそれって声が聞こえる。あと悲鳴?

…叫んでる人めっちゃ嬉しそうでなんか、胸の辺りが恐怖を訴えている様な気がする。


「なんで知ってるんでしょうかねー、形式はデスゲームです。」


ガラガラとクソデカスクリーンが出てきた。

え、でか。


何m…え、でっか


えっと大体何メートル…


「あんやあれデカすぎちゃう?」


え、でかいよねあれやっぱ。


「嬢ちゃん死体見た直後にそれ思えるの逸材にも程があるよ」


何が?

てかこのおっちゃん誰なん?

…いやそもそもここにいる誰のことも自分は知らないわ。


ぶら下がった足場からマイク越しの声がまた聞こえて


「なんか今日は、逸材が二人もいて日本の未来が心配ですラシュさんは。」


は?きも


「ルール説明です!」


意味わかんねえくらいのクソデカスクリーンに映像が映る。

やはりクソでかい。何をどう考えても大きい。


「ここでは感情、四肢、記憶などを紙幣とし、異能という商品を落札していただきそれを駆使して生き残っていただくというルールとなっております。

細かい説明は皆様がそれぞれの自室に戻った際にまだ説明させてもらいます」


「このテンションで自室あるんかいな」


関西弁の女の子がツッこむ。


やはりクソデカすぎる、スクリーンに映ったのは

誰かの、何かの情報。


「今映ったのは、このバザール内での神崎様の書類情報となっております。あ、晒されたからって不利になったりはしませんよ」


嘘だろうな。声と顔と仕草が胡散臭い。

鼻を急に触りまくるわ目線は一気に2度ずれるわ。


「嘘ヘッタクソ」


誰にも聞こえないくらいの声で呟いた。


「勝手に私の個人情報開示するのやめてもらえます?え?え?え?え?」


嗚呼、神崎とやらも頭アレみたいだね。


ーー

 【No.17】神崎 桃奈 サマ(16)

 感情:恐怖 記憶率:98% 精神安定度:68%

 代償候補:「自尊心」「聴力(片耳)」「兄の記憶」

 オークション候補異能:

 ・空間圧縮(圧力操作)

 ・共感リンク(他人の感情を読む)

 ・幻影投影(記憶から幻を具現化)

ーーー


「このような例となっておりますぅ、神の眼目指して手を尽くしてくださいね」


何それ。


パチン。


気づいたら二十畳くらいでおまけにロフト付きの部屋のロフトにいた。

なんでロフトなん?


ロフトを降りると


ーー

 【No.89】奈々星 イツカ サマ(14)

 感情:疑問 記憶率:48% 精神安定度:92%

 代償候補:「なし」

 オークション候補異能:

 ・身体狂化 (自分の身体能力を数秒だけ10倍にできる)


 ・水分操作 (水分のある場所を滑るように瞬間移動できる)


 ・感情必中 (自分の感情を一点集中させることで1行動だけ必中・絶対成功)


ーーー


「おー、代償は何処へ?」


まじでどこ?


ーーー


俺は真っ黒い監理者部屋で口を開く。


「こんにちわ、読者の皆様、ラシュでございます」


これ誰に向けてやってんだろう。読者ってなんなんだろう。ラシュさんにはわかりません。

宙に向けて語りかけろって上位存在様は何を考えてらっしゃるんでしょうか。


え?

何、上位存在が「次元が違うなんか」に話しかけろって言ってる状況ってことこれ。

生身の人間…人間に次元の違いがわかるとでも?


数々のこのバザールのあちこちを写したモニターが俺を凝視する。


「イツカさん代償の候補がなし、バグと思ったのですがどうやら正常みたいですっ」


もし本当にバグならパソコンが悪い。もうやだ頭痛い

このゲーム宗教の狂信者も多いし…


「どの能力がいいか、投票コメント欄にてお願いします。なお話によって応募する内容は変わりますのでご了承を」


「あちなみに今イツカさんは爆睡してます笑」


嘘だけどね(意味はない)


…まじで宙に向かって離さなきゃいけない理由がわからない。ねよう。うん。

悪い夢なんだよきっと。


「それでは皆様、いい夢をっ」


お母さんのぬいぐるみ握って俺も寝た。


ーーー

《選択のときがやってきました》

こんにちは、上位存在さん達。このバザールの主催者の上位存在、つーか半分作者ですね。

寧々丸と申します。多分キャラブレると思うのでお見知り置きを。


今回は


・イツカの能力を三択から


を選んでいただきます♪

ラシュがさっき説明したのはなんだったんだって?細かいことはいいんですよ。


イツカの異能


 ・身体狂化 (自分の身体能力を数秒だけ10倍にできる)


脳筋作戦が可能。爽快感抜群


 ・水分操作 (あらゆる水分操作ができる)


代償以外の副作用があるかも…?でも1番便利だねマジオヌヌメ


 ・感情必中 (自分の感情を一点集中させることで1行動だけ必中・絶対成功)


これ狙撃で最強そうですね、まあイツカは狙撃ができないんですけど

でも狙撃以外でも普通に強そ。


はい、三択から選択ください!

ということで皆様、投票よろしくお願いします。


水分!イチオシですよ!


次回 デスゲーム開始!カップリングで生き延びろ

〜関西弁の女の子の正体が明らかに…?

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